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『春して、恋して、見つめて、キスして/ポータブルロック』 [ピチカートファイヴ]

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こんにちは。
ピチカートも取りあげたので、その繋がりという訳で、
ポータブルロックを。
こちらも春らしい一枚、「春して、恋して、見つめて、キスして」。

ポータブルロックとはピチカート加入以前、野宮真貴さんが80年代に組んでいたユニット。
鈴木智文さん、中原信雄さんのお二人と野宮さんがメンバー。
この3人組構成が後のコロムビア時代でのピチカートのお手本にもなる訳です。
ポータブルロックの方がピチカートよりもデヴューは少し早いですが、どちらもキュートなテクノポップ主体のサウンドで似た者同士と云う感じですね。

このシングルは1986年のコーセー、春の化粧品「ミスティーフェイス」のテーマソングでした。
その丁度10年後の春に、前回のピチカートの「ベイビィ ポータブルロック」が三菱の「ミストラル」という自動車のCMソングになったのは、何だか面白いですね。小西さんは其処まで考えていらしたのでしょうか。
この楽曲自体は、鈴木慶一さんと鈴木さえ子さんの共作です。
すなわち、サイコ パーチス仕事。
作詞をおふたりで、作曲とアレンジが鈴木さえ子さん。
春の化粧品のテーマソングと云う大メジャーなクライアントからの仕事なので、鈴木さえ子さんのソロのユニークで実験的な作風は勿論控えめながら、メルヘンチックでカラフルなポップサウンドが咲き乱れています。
野宮さんのスウィートな歌声と、浮遊感に富んだシンセサイザーの音色が魅力的な仕上がり。
大人っぽい雰囲気のピチカートと比べるとポータブルロックでの彼女の歌い方はアイドルっぽくて少女的な響きがします。



もう典型的な80年代の化粧品のCMソングって感じですが、最近はこういう音楽は皆無なので新鮮。何だか牧歌的な感じすらします。
野宮さんもそうだし、鈴木さえ子さん、矢野顕子さん、コシミハルさん、戸川純さん、戸川京子さん、早瀬優香子さん、飯島真理さん、チャカさん、などなど、あの頃は魅力的な声質を持つシンガーが多かったですね。現代のいわゆるアニメ声とはまた違った声。そしてその声を活かして魅力的に響かせる作曲家、アレンジャーが多かった気がします。
歌声をレコーディングの際に編集したり、ヴォーカロイドに頼らなくても。

B面は「Tu Tu」でポータブルロックのオリジナル。
1985年のアルバム「QT」から。
詞は鈴木博文さん、曲は鈴木智文さんによるもの。
紛らわしいですね。
こちらも彼らの代表曲と云うべき作品。
少し照れくさくなってしまうくらい、ピュアで爽快なラヴソング。
今の女性アイドルが歌ってもOK牧場な愛らしいメロディ。
誰かにカヴァーして欲しいですね。



ピチカートをリアルタイムで聴いていたときは、ポータブルロックの曲とかあまりピンと来なかったのですが、ピチカートの解散後、何気なく聴き返したら良さが判りました。
メジャーからの二枚のアルバム「QT」「ダンス ボランティア」も良いのですが、インディーズ時代の初期音源集「ビギニングス」も原石の様な魅力を放っていて素晴しいのでした。
野宮真貴さんは現在も、マイペースでソロ活動や、他のミュージシャンと組んで様々に音楽活動をしています。久しく野宮さんの歌声をライヴで聴いてないので、機会があったら参加してみたいなぁ。

『春して、恋して、見つめて、キスして』《7JAS-57》〈作詞:鈴木さえ子、鈴木慶一/作曲・編曲:鈴木さえ子〉(03’46’’)【1986】


Q.T

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: LOST HOUSE ARCHIVE CLUB
  • 発売日: 2006/12/20
  • メディア: CD



ゴールデン☆ベスト

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コメント 5

NO NAME

お久しぶりです。
久しぶりに訪れてみましたが
良い曲がずらーっと並んでいて
都市色さんのセンスが光っています。
さすがです。

ポータブルロック。好きですね。
春になると聴きたくなる曲です。

ただ、当時は個人的に情報力が無く
野宮さんと、dip in the poolの甲田益也子さんが
同一人物だと思っていたという
なんとも情けない間違い勘違いをしていたという思い出が。

ポータブルロックが90年代末に
「テクノ歌謡」のジャンルとして紹介されていた時
「うーん、そうなのか・・・テクノ歌謡に入るのか・・・」
と微妙な感じになってしまったのですが。

まぁでも、あのCDシリーズは今でも聴く
とてもナイスな作品でしたけどね。
by NO NAME (2011-04-07 00:19) 

リゼ・スタンスフィールド

すいません。NO NAMEは私です。
名前を打ち忘れました。
失礼致しました。
by リゼ・スタンスフィールド (2011-04-07 00:22) 

nakamura8cm

お~「ハコミキ」ですね!もう言わなくてもお分かりでしょうが、私的にはドストライクです。
とはいえ、今聴くならやっぱり「ビギニングス」ですよね。2006年の再結成ライブでは「ビギニングス」からの曲が多かった。

あと、「Tu Tu」の作詞は鈴木博文さんです。智文さんと一文字違いで紛らわしい。ていうか、鈴木多すぎ!(笑)
by nakamura8cm (2011-04-08 01:12) 

都市色

>リゼさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
リゼさんのブログも楽しみにしてます。
D.I.Pの甲田さんと野宮さん、確かに似ていますよね。
数年前の小西さんのレディメイドのコンピに甲田さんが参加されてました。
「テクノ歌謡」のコンピ、ありましたね。
YMO周辺の繋がりでポタロクも同じ括りになったのでしょうか。
by 都市色 (2011-04-09 09:43) 

都市色

>nakamuraさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
ポタロクの再結成ライヴご覧になってるのですね、さすが。
このときはシネマも出てましたっけ?
「TU TU」の楽曲クレジットのご指摘、ありがとうございます。
すっかり勘違いしてました。
博文氏の歌詞でした。素敵ですね。
後ほど訂正させて頂きます。
>鈴木、多過ぎ!(笑)
ホントそうですね。
by 都市色 (2011-04-09 09:47) 

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