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『とんちんかんちん一休さん/相内 恵、ヤングフレッシュ』 [アニメソング]

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コニャニャチワワ。
今回のブログは、
先月に84歳でお亡くなりになった作曲家、宇野誠一郎さんを偲んで。

これまでも拙ブログで宇野氏の手掛けられたアニソンを取りあげてきました。
悟空の大冒険」「ふしぎなメルモ」。
無邪気で、元気で、繊細で、気品があって、流麗なメロディ。
他にも素晴らしい宇野氏のアニソンはありますよね。
「小さなバイキングビッケ」「やまねずみロッキーチャック」「ムーミン」「W3」「アンデルセン物語」などなど。
氏が主にアニソンを担当されていたのは60〜70年代、リアルタイムでその主題歌を聴いて育った世代は恐らく僕らが最後ではないでしょうか。
その後、舞台音楽に活動をシフトされ、井上ひさし氏の「こまつ座」の一連の劇判を手掛けられました。
二年前の五月頃、東京の天王洲にて、こまつ座の「きらめく星座」という舞台を観に行きました。
第二次世界大戦下の東京で小さなレコード屋を営む家族の話でした。
中学の頃にこの戯曲と出会ってずっと舞台を観てみたいと思っていて、それが叶ったのですがやっぱり素晴しかったです。
当然この作品も宇野氏が音楽を担当されてましたが、とてもロマンティックなメロディに感動しました。大人になって再び宇野誠一郎メロディに感激した日でもありました。
井上氏も宇野氏もこの世にはおられませんが、残された作品はこれからも輝き続けるのでしょう。

前置が長くなりましたが、あわてない、あわてない。
ひと休み、ひと休み。

という訳で今回は「一休さん」。
1975年から82年まで東映でつくれられたアニメ。
ちょうど僕の幼少期と重なります。
良く観てました。
歴史上の人物、室町時代に活躍した禅僧、一休宗純の少年期を描いた物語。
一休さんが自慢のとんちを使って数々の難題を解決します。
若干子供向けに設定は変えられていますが、当時の貧困問題や身分制度、戦乱の世の不安もちゃんと描写していたり、単に明るいだけの子供向けではない、奥の深い内容でした。

では、A面のオープニングテーマ「とんちんかんちん一休さん」。
番組では鐘の音が鳴って、さよちゃんやお寺の仲間達が一休さんを呼び声に、お返事をするところから始まりましたね。
ユーモラスで軽やかなホーンのフレーズに乗って、
「♪すき すき すき すき〜 すき 一休さん!」
可愛らしい女の子の歌声。
メロディものびのびと元気いっぱいで可愛らしくて。
健やかさが良いですよね。
子供の頃は普通に子供じみた曲だなぁ、と思っただけですが、改めて聴き直すとメロディの朗らかさ、瑞々しさに感動を覚えます。
一度聴いただけで判ってしまう耳馴染みの良さ。
くちずさんでも楽しい。
木魚の音も上手く入ってますよね。
アレンジも素晴らしい。



3番目の歌詞、

 こころはこころはやさしく いっきゅうひん
 おつむはくりくりだよ いっきゅうひん
 おめめはかわいく いっきゅうひん
 だけどかおはざんねんだよ さんきゅうひん

「ざんねんだよ」っていうのが良いですね。キビシー。

B面はエンディングの「ははうえさま」。
こちらも名曲の誉れ高き内容。
一休さんは仏門に入る為に幼い頃にお母さんと生き別れてしまいます。
お母さんへ捧げる、ホームシックな一休さんからのおたより。
一休さんのお母さんは確か天皇の血筋でしたね。
TVサイズではカットされていますが、オリジナル版にはオリエンタルなメロディのイントロが存在します。天空に流れる雲のような風流な旋律。
そして、突然に一瞬、爪弾かれるピアノの音。
この不意打ちの様なピアノのフレーズが何か劇的で素晴しいと思います。
小さな音ですが、とても印象的で素敵。
ピアノ音の後、しとやかに響き出すストリングス。
雲が流れ出し、雨雲となって、一粒の雨が地面に零れ、静かに雨が降り出す。
そんなイメージが心に描かれるようです。
アニメーションも雨に打たれるてるてる坊主の表情ですよね。

素晴しいのは、ははうえ様への手紙の文章である歌詞とメロディの密接さ。
一休さんの声を演じられた藤田淑子さんがまるで語るように唄っています。
それがとても自然に観じられます。
言葉の抑揚を意識しながら、しっとりと優しいメロディが歌詞に寄り添っています。
恐らく宇野氏は先に出来上がっていた歌詞に丁寧に旋律を付けたのだと思います。
手紙の起承転結に見事にハマったメロディの起承転結。
芸術的なほどに美しい仕事。



う〜ん、叙情的な味わい深い曲ですよね。
完璧です。

大人が聴いても十分鑑賞に絶え得る流麗なメロディ。
奥ゆかしく、チャーミングな、上品なメロディ。
ドリーミィな宇野誠一郎メロディを聴いて眠りにつきたい気分です。
心よりご冥福をお祈りします。

それでは、
「はぁーい、面白かった?じゃぁね〜!」

『とんちんかんちん一休さん』《SCS-278》〈作詞:山元護久/作曲・編曲:宇野誠一郎〉(02'58'')【1975】


宇野誠一郎 作品集

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ウルトラ・ヴァイヴ
  • 発売日: 2004/05/29
  • メディア: CD



こまつ座の音楽

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  • アーティスト: 東京コンサーツ・オーケストラ,井上ひさし
  • 出版社/メーカー: キングレコード
  • 発売日: 2009/09/09
  • メディア: CD



悟空の大冒険 オリジナル・サウンドトラック

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: SOLID
  • 発売日: 2011/02/16
  • メディア: CD



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キュウティーハニー&村石太亭主

アニメ 一休さん 懐かしいですね。最近のアニメ バトルものというか 宇宙戦争ものというか 多い気がします。昔から アニメで 宇宙戦争ものも あるのですが、子供のころ 見た 日本昔話 フランダースの犬
ムーミン アンデルセン 最近では おーい龍馬 トトロ アニメと子供の心について 考える時があります。アニメ同好会(名前検討中 子育て研究会(名前検討中

by キュウティーハニー&村石太亭主 (2011-12-28 20:26) 

都市色

>キュウティーハニー&村石太亭主さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
あの頃のアニメはもっと子供の視点に立った考えさせられる作品が多かったですね。今よりも豊かなものありました。
今は大人向けがやや多い気がします。
by 都市色 (2012-01-25 22:08) 

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