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『難破船のセイラー/青山陽一』 [邦楽ロック/00年代]

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こんにちは。
更新が少し空いちゃいましたね。
仕事が忙しかっただけです。

久しぶり(といっても、ひと月ぶり)にライヴを観てきました。
青山陽一さんのライヴ。
彼の新作リリース記念ツアーを大阪はムジカジャポニカにて。。
10月にリリースされた五年ぶりの新作「BLUES FOR TOMATO」、いやぁ、素晴しいアルバムですね。アルバムは久しぶりですが、シングルは二年前に青山陽一 the BM's名義での「GUITAR=ORGAN= DRUM」をリリースして拙ブログでも取りあげています。
日本のロック、秋の大収穫。
ストイックかつフレキシブルにブルースを探求する青山さんならではの切れ味鋭い野心作。
全世界のロックファンにおススメしたいですね。
そんな充実作を引っさげてのライヴはバンドのベーシスト、千ヶ崎学氏とによるアコースティックセットによるパフォーマンスですが勢いと実りあるライヴでした。
ノリの良い大阪のお客さんにも煽られて楽しいものでした。

と、言う訳で新作からシングルを紹介したいと思ったのですが、
一応、夏の終りに配信のみですが「夏は喧騒なり」をリリースしたのですが、季節外れかなと思いまして、別のを紹介したいと思います。「夏は喧騒なり」が嫌いという訳じゃないですからね。

今回ご紹介しますのは、
2001年にリリースされたアルバム「Bugcity」からのマキシシングル「難破船のセイラー」です。
この曲は特に大好きです、えぇ。
青山さんの楽曲の中でも一番好きかも。
前述のライヴでも取りあげて下さって感激しちゃいました。
彼の非凡なソングラティングの才能の迸りを感じずにはいられない名曲。
グランドファーザーズ解散後、鈴木博文氏の主宰するメトロトロンレーベルにて4枚のソロアルバムを発表後、さらなる飛躍を求めて1999年に徳間ジャパンに移籍、メジャーからの第三作目となるアルバム「Bugcity」は青山さんのポップセンスが爆発した完成度の高い勝負作であり名盤です。

そんなアルバムのハイライトとも言える1曲「難破船のセイラー」。
大海を漂流する難破船の寄る辺なき航路を、高い音楽性で有機的に叙情的に音像へ昇華。
メロウでニヒルなメロディライン。
力強い三拍子のリズムは荒れ狂う大海原のようです。
青山さんのサウンドメイキングをサポートするバンド、BLUE MOUNTAINSによる卓越したアンサンブル。
ドラム(石坪信也氏)とベース(青木孝明氏)のリズム隊のうねりが迫力満天。
不穏ながら美しい波のきらめきのような伊藤隆博氏のフェンダーローズの音色。
船の衰えながら轟くエンジン音を模したような川口義之氏のバリトンサックス。
物語のシニカルな運命とミステリアスなムードを効果的に演出する田村玄一氏の幽玄なスティールギター演奏も聴きどころです。
そしてそしてスティールギターの音色の間を縫うように奏でるブルージーな青山さんによるギタープレイ。船員たちの叫びを代弁。
ハスキー気味な青山さんのヴォーカルも真に迫っていてドラマティック。
決して線の細い歌声ではありません。



この映像はBLUE MOUNTAINSによるものではなく、近年の青山さんが率いるバンド「青山陽一 the BM's」による演奏、こちらもシンプルな編成ながら良いです。

なお、シングルに収録されているのは、アルバムに収録されてるモノより若干フェイドアウトが早いです。
徳間時代を含む彼の1998〜2005年の活動をまとめた二枚組のベストアルバム「BROKEN WORDS AND MUSIC」には同曲のライヴバージョンが収録されています。

余談ですが、ビーチボーイズファンとしては歌詞の中に「♪SAIL ON SAILOR」と言うフレーズがあるのにグッと来ます。わっかるかな〜、わっかんないだろうな〜。

シングルの他の収録曲も紹介しましょう。
オリジナルアルバムには未収録です。
二曲目「満員電車のモラル」はブルース風な楽曲。
BLUE MOUNTAINSとの息の合ったルーズな演奏が楽しいです。
終盤、無理矢理に転調したり遊び心を感じます。
でも、ロックミュージシャンの青山さんが覗いた現代社会を綴った歌詞。。

♪ここはどこでもなくなるといい
 どこがここでもなくなるなら
 いたるところで君は見ている
 明日は昨日でまかなえるなら
 今日は明日のつけたしになり あー

ひねくれまくって意味が理解出来ない青山さんの歌詞が炸裂するブルース。
要するに社会はよくわからん、ってコトでしょうか。
う〜ん、いいですね。
ロックンロールです。
口が裂けても「I LOVE YOU」「君は一人じゃない」なんて歌詞にしない青山さん、最高。
「BROKEN WORDS AND MUSIC」にはライヴバージョンが収録されています。



三曲目は「空中遊泳ベイビー」。
タイトルからしてひねってます。
最後はヌード」と同型のユーモラスでファンキーなロックンロール。
同じく「BROKEN WORDS 〜」にも収録されています。

「BLUES FOR TOMATO」は「Bugcity」から丁度10年目のアルバムなんですね。
そう云えば、この二枚のアルバムのアートワークは小田島等さんが担当されています。
ギタリスト、ソングライター、そしてヴォーカリストとしてますます円熟味を増す青山さんの音楽、これからも楽しみですね。
もっともっと評価されて然るべきだと思います。

最後に、今回の記事で更新は600回を数えることになりました。
600と云う数字は10進法の表記に過ぎないですが、三日坊主の僕にしては出来過ぎです。
いつも記事を覧下さっている方々、そしてコメントを下さる方々には、深く深く感謝する次第です。
どうもありがとう。大した内容では無いですが。
どうぞ、これからも宜しくお願いします。
次回も45回転でぶっ飛ばすぜ!

yes,we are singles !!

『難破船のセイラー』《TKCA-72094》〈作詞/作曲/編曲:青山陽一〉(05’12’’)【2001】


Bugcity

Bugcity

  • アーティスト: 青山陽一
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2001/06/06
  • メディア: CD



Broken Words And Music

Broken Words And Music

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 発売日: 2005/12/21
  • メディア: CD



ブルーズ・フォー・トマト

ブルーズ・フォー・トマト

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pヴァイン・レコード
  • 発売日: 2011/10/19
  • メディア: CD



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コメント 2

ねこま

青山さんの音楽も佇まいも大好きです♪
キリンジの高樹さんに「“あんまり意味が繋がらないから自分で
書いた詩なのに覚えられないんだよね”って言った知り合いがいます」
って言われてました。(笑)
by ねこま (2011-11-12 22:41) 

都市色

>ねこまさん、こんばんは。
こめんとありがとうございます!
青山さんと高樹さんのコラボレーション、もっと聴いてみたいと思います。一緒にバンドを組んで欲しいです。
by 都市色 (2011-11-14 22:48) 

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