『水星/tofubeats feat. オノマトペ大臣』 [邦楽ロック10年代]
こんにちは。
前回の宇宙刑事からのご紹介(ウソ)で「水星」と云うシングルを。
水曜日だし。
新進気鋭の若きトラックメイカー、tofubeatsのファースト12インチ。
彼の音楽はももいろクローバーの「ももいろパンチ」のリミックスやtengal6のシングル「プチャヘンザ」などなどアイドル仕事を通じて知りました。
そんな訳で「水星」。
浮遊感溢れる夜の空気を吸い込んだメロウなメロディとビート。
フェンダーローズ系のエレキピアノの水彩画のような音色が切なく滴り、
硬質なボトムとうねるシンセのやるせなきフレーズが漂います。
そしてこの曲では、オノマトペ大臣という社会人ラッパーが参加しています。
昨年「街の踊り」というミニアルバムでデヴュー。tofubeatsさんも参加しています。
tofubeatsさんと大臣さんの2MC。
仄暗いフロアにてビートに身を委ねて揺れる若者たちの寄る辺なきこころ模様を滲ませたrhyme 。
♪めくるめく ミラーボール乗って
水星にでも旅に出ようか
いつか見たその先に
何があると云うの?
ダウナーでセンチメンタルなムードから、
「今夜はブギーバック」にちょっと想いを馳せちゃったり。
ちなみに大臣さんは漫画家の西村ツチカさん(「なかよし団の冒険」と云う短編集が第15回文化庁メディア芸術祭漫画部門で新人賞受賞)と大学のご友人で、お二人による「元町海岸通り」というユニットで定期的に「デスプルーフ」という同人誌を発行しています。
元町というのだからお二人とも神戸のご出身。
そしてtofubeatsさんも神戸出身。
このジャケットの写真を見て、
去年の夏、元町でレイトショーを観終わった後になんとなく少し歩いて港の方をフラフラしたとき、神戸ポートタワーのイルミネーションがやけにキレイだった事を思い出しました。
そして神戸。
あのときのなんともいえない気分がこのレコードの溝に刻まれた信号と深くリンクしているのです。
A面の二曲目は「水星」のヴォーカルトラックだけを抜き出したアカペラ。
B面に移って、
1曲目は「水星」(Roller Skate Disco Remix)。
PUNPEE for PSGによるより華やいだポップな仕上がり。
「うるせい!」と怒鳴るエンディングはクレージーキャッツの「全国縦断おっかけのブルース」を思い出させてくれました。
2曲目はオリジナルの「水星」のバックトラック。
メロウに溶ろけそうなサウンド、良いですね。たまらなくアーベイン。
昼間に更新していますが、こういう曲は夜中に聴くとまたグッと来ますね。
『水星』《JS12S082》〈Tracks and Music by tofubeats & Onomatope Daijin〉(04’31’’)【2011】
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