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『A面で恋をして/ナイアガラ トライアングル』 [ナイアガラ]

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こんばんは。
今年の3・21はナイアガラ トライアングルVol.2の30周年記念盤の再発でした。
30周年記念盤には1982年の3/21にリリースされたオリジナル版の最新リマスターバージョンと、純正カラオケ音源集の二枚組。

1981年の「ロング バケーション」の商業的成功で、レーベル「ナイアガラ」の本格的再始動の契機として、プロデューサー大滝詠一さんがリコメンドする佐野元春さんと杉 真理さんを迎えてのトライアングル企画第二弾。
勿論第一弾は山下達郎さんと伊藤銀次さんでした。
ポップサウンド クリエイター大滝、佐野、杉、三氏による三つ巴戦。
軽音楽の秘境、三角地帯。

その前哨戦となるシングル「A面で恋をして」。
スマッシュヒットも記録しました。
化粧品メーカーの秋のキャンペーンソングというのが実に80年代的ですね。
タイトルもクライアントのアイディアだそうですが、これまたレコード時代の名残りが濃厚。
化粧品のイメージソングと云えば、当時のCMソングの花形。
カラフルな商品イメージにピッタリなゴージャスで都会的なナイアガラサウンドが轟きます。
フィル スペクターがバディ ホリーをプロデュースしたような感じと云えば、そうなのですが、
ナイアガラ サウンドはよりギミックが凝っています。
マシンガンのようなスネアの連打音、爆弾が破裂するようなティンパニの音色、そして様々なSEなど甘くシンフォニックな響きにのみに流されないユニークな音作りが冴えています。
客先の要望にストレートに応えた、松本 隆氏による歯の浮くようなフレーズのオンパレードをサラリと歌いこなす、クルーナーな大滝さん、スウィートな杉さん、そしてシャウターな元春。
それぞれのヴォーカリストの魅力もフィーチュアされています。
良い意味で歌詞に全く意味がないので歌声の響き(サウンド)にだけ心地好く耳を傾ける事が出来ます。
ユニークな顔ぶれによるマジカルなサウンドは独特なオーラを放ち、まさにドリーミィであり、浮世離れしていて今聴いても瑞々しく時間や時代を超越しています。
杉さんも元春も今も現役バリバリに活躍されているコトもこのプロジェクトの先見性を証明しています。
このシングルの素晴しさが翌年に発売されたアルバムでも爆発しています。
ピンクなジャケットどおりに胸がキュンとするポップソング満載。
三者のメロディメイカーぶりが拮抗しています。
POP MUSIC FROM BIG PINK なんちゃって。
なお、このシングルテイクはアルバムに収録されているバージョンとはミックスが異なります。
サビでのバックの演奏にドラムの音が無かったり、エンディングが異なったりと違いがあります。
シングルミックスはこれまでナイアガラトライアングルVOL.2のCDには未収録ですが、松本 隆氏のアンソロジー「風街図鑑」の「街」編には収録されています。
それとシングルの初回プレスには同心円の溝にマシンガンのドラム音が入っています。

B面は「さらばシベリア鉄道」。
「ロング バケーション」からのシングルカット。
A面がフィル スペクター風味ならば、B面はジョー ミーク風味。
北欧の哀愁ギターサウンドを青春歌謡へ昇華。
70年代、コロムビア時代の「多羅尾伴内楽団」からの試行錯誤が結実した名曲。

さて、大滝さんと云えば、現在国営ラジオ局で特番が連夜放送されていますね。
ご隠居の趣味趣味音楽で今夜も楽しい夜更かしであります!

『A面で恋をして』《07SH 1077》〈作詞:松本 隆/作曲:大瀧詠一/編曲:多羅尾伴内/ストリングス編曲:松任谷正隆〉(03'15'')【1982】


ナイアガラトライアングル vol.2 30th Edition

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風街図鑑 街編

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コメント 9

サクラギ

CMは残念ながらすぐ打ち切りになっちゃったんですけどね(笑

この曲はかなり好きなんです。
カジくんのいとしのファニーガールはこれをかなり意識してますよね(笑
by サクラギ (2012-03-30 09:42) 

いとぞう

今でこそ当たり前のように語ってしまうけど、この3人の組み合わせ、改めて夢のようですよね。このユニットが誕生し、フィルムコンサートまで実現していたあの時代に戻って体感したいものです。
曲も本当に素晴らしくて。何度聴いても飽きません。大瀧さんのシングル曲としてリリースしてもおかしくないのですが、松本さんが計算したのか、元春の”ドライブルルルゥ”とか、杉さんの”クラクション鳴らして”とか、それぞれの持ち歌のフレーズがさりげなく織り込まれてるところもニクイですね。
20周年盤を買ったので30周年盤の購入は見送っちゃったけど、多分また10年後にも出るんでしょうね~。
by いとぞう (2012-03-30 17:40) 

都市色

>サクラギさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
CMの件、出演された女性タレントさんのスキャンダルとかで早々と打ち切りになったとか…。ツイてナイアガラですね。
カジくんは大滝さんをリスペクトしてますよね。
「恋の汽車ポッポ」をカヴァーしたり。
声も爽やかで大滝さんと通じるモノがあります。
by 都市色 (2012-03-31 01:02) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
サウンドのアナログの質感も美しいですし、エヴァーグリーンなアルバムですね。
大滝さんの当時行われたコンサート、ヘッドフォンコンサートですね。
30周年盤の次は無いようなコトをコメントしていましたが、
50周年のときにはヘッドフォンコンサートの音源をボーナストラックにして欲しいと思います。
by 都市色 (2012-03-31 01:05) 

いとぞう

フィルムコンサートじゃなくてヘッドフォンコンサートでしたね。失敬・・
あの日の音源はYouTubeで聴いたことありますが、もし40周年盤があるなら是非ボーナストラックにしてほしいですね。
by いとぞう (2012-03-31 18:28) 

ねこま

ヘッドフォンコンサートで「A面で恋をして」を聴きました。
アンコールでもう一度歌ってくれたことを久しぶりに
憶い出しています。
by ねこま (2012-04-03 23:06) 

都市色

>ねこまさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
ヘッドフォンコンサートの実体験者の感想、貴重です。
詳しい事は判りませんが、ヘッドフォンコンサートと云う企画、空前絶後なのではないでしょうか。
余り語られる事が無いので勿体ないと思います。
by 都市色 (2012-04-05 22:32) 

都市色

>ろひさん、
niceありがとうございます!
by 都市色 (2012-04-05 22:33) 

都市色

>vegaさん、niceありがとうございます!
by 都市色 (2012-04-23 16:59) 

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