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『暮らしの眼鏡/ユメオチ』 [邦楽ロック10年代]

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こんにちは。
素敵なインディーズのバンドをご紹介しましょう。
もう少し早く取りあげたかったのですが、
ユメオチです。

下北沢にあるライヴスポット兼食堂兼セレクトCDショップのmona recordsのオーナーであらせられる行 達也氏による6人組バンドです。
国内のインディーズ系音楽の聖地、mona recordsに相応しい、“KING of 喫茶ロック”なバンド、ユメオチ。
3曲入りの彼らのデヴューシングル(CD-R)「暮らしの眼鏡」です。
こういうバンドには目がねえ、お粗末。

1曲目は「さよならをおしえて」。
滑らかなアコギのアルペジオのイントロ。
夏の終り、ひんやりとそよいで来るような新鮮な秋風を紡ぐような音色。
たおやかでホンワカとしたカントリー風フォークロック。
季節感のあるペダルスティールの響き。
甘美な感傷を湛えた、すてきなメロディー。
リードヴォーカルの寺岡歩美さんの素朴で愛らしい歌声、
ジブリ映画のヒロインのような。
季節の移り変わりの境目に引っ掛かった若かりし日の思い出を唱います。



この曲を初めて聴いたのは、小西康陽さんのラジオ番組でした。
まさか最近のバンドとは思いもしませんでしたが、70年代の日本のフォークの様でもありませんでした。あの時代に活動しつつも、早過ぎたセンスが理解されず、ひっそりと名盤を残して消えた幻のバンドって感じで。
洗練されたメロディがグッと喫茶ロック的。

二曲目は「暮らしの眼鏡」。
70年代のアメリカの女性SSWの音楽のようなカントリーロック風バラード。
深い叙情と諦観、思慮を含めたメロディと演奏が素晴しい。
丁寧にメロディに織り込まれた情感のタペストリー。
寺岡さんの抑揚を込めた歌声も魅力的。
オーソドックスの高み、ミドル オブ ザ ロードの音楽ように揺らぎのない芯の強い唄と演奏。
このバンドの底力を感じます。

三曲目は「ピクニック」。
楽しい行楽風景をコミカルにスケッチしたジャグバンドな朗らかアンサンブル。
丁度、前回に紹介したGreat 3の前身のRotten Hatsを彷彿させるサウンドですね。
ワイワイと賑やかなコーラスやユニゾンが実に。
90年代の渋谷系周辺のインディーズ系の音楽への憧憬や深い造指を持つ行 達也さんの思いが感じられます。
でも単に趣味で終らない技巧をこらしたソングライティング、素晴しいです。
そう云えば、mona recordsへ初めて訪れたのはショコラ&アキトのライヴを観る為でした。

さて、
上記の三曲を収録した、彼らのファーストアルバム「これからのこと」も四月にリリースされて、絶賛愛聴中です。
洗いざらしの綿のシャツ、履きなれたジーンズとスニーカー。
とてもしっくりくる懐かしさと新鮮さ。
ライヴも定期的に行われていて、関西にも来られたのですが残念ながら予定が合わなくて参加出来ませんでした…。
これからもマイペースで息の長い活動を期待します。
レコードも出しましょう!(こればっかり)
それにしても最近はますますインディーズが面白いですね。
才能豊かなミュージシャンが沢山で追いかけてるのが大変です、と嬉しい悲鳴。

『暮らしの眼鏡』《品番不明》〈作詞:保坂ねこ/作曲:行 達也〉(04’45’’)【2012】


これからのこと

これからのこと

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2012/04/04
  • メディア: CD



モナレコードのおいしいおんがく ~午後のパレード~

モナレコードのおいしいおんがく ~午後のパレード~

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: mona records
  • 発売日: 2011/07/20
  • メディア: CD



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都市色

>D-renpさん、niceありがとうございます!
by 都市色 (2012-10-14 03:54) 

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