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『おじゃまんが山田くん/こおろぎ’73』 [アニメソング]

おじゃまんが.jpg

コニャニャチハ。
アニソン特集の最後になります。
とりあえずの最後は「おじゃまんが山田くん」です。
大好きなアニメでした。
僕はいしいひさいち先生のファンなのです。
特に10代から20代はよく読んで、コミックスを集めていました。
「バイトくんブックス」「ドーナツブックス」「B型平次」「鏡の国の戦争」「忍法無芸帖」「女には向かない職業」etc..。

今年は先生のデヴュー40周年。
おめでとうございます。
アニヴァーサリィを記念してのシングルレヴューでもあります。
大したコトは書けませんが。

デヴュー以来、時事、政治、スポーツ、時代劇、戦記、SF、ミステリ、文壇、哲学、日常生活、などなど森羅万象のジャンルを跨いでナンセンスを貫く四コマ職人。
80年代初頭に「がんばれ!タブチくん」の大ヒット以降、そのユニークなペンタッチとギャグセンスは日本の四コマ漫画を確実に変えてしまいました。
四コマ漫画の歴史は「いしいひさいち以前」「いしいひさいち以降」で区分出来るでしょう。
いしい先生のペンタッチをそのまんまパクった漫画家を例に挙げるまでもなく、有形無形にその影響力は計り知れません。四コマ漫画の多様化に深く寄与していると思います。
つい最近、河出書房新社から出版された「文芸別冊 総特集いしいひさいち」はマスコミ嫌いで有名な故にあまり組まれることのなかったレトロスペクティヴ的ムック。
いしいひさいちファン必携の一冊となりました。
ご本人が構成する「でっちあげインタビュー」から,仕事現場風景、ゆかりの土地散策、過去の数多くの著作目録、著名な漫画家による寄稿(大友克洋、秋月りす、とり・みき、吉田戦車諸氏)などなど、大変興味深く読ませて頂きました。

人類の愚かさ,ペーソスを見事にユーモアやナンセンスに変換する技。
四コマ目の見事としかえ云えないオチの面白さ。
バカバカしく、しょーもない感じが最高です!!
起承転結なオチから,不条理でシュールなオチ、そしてブラックユーモア炸裂なオチ、そして、ほのぼのとしたオチ等など,緩急自在な笑いのセンス。鋭いです。
このムックで多くの寄稿者の皆さんが指摘されている通り、何度も読んでオチも知っているのにまた読み返して笑ってしまうのです。
スポーツ選手、政治家、タレント、作家、などなど実在する人物の似顔絵も素晴らしいですね。
ナベツネ、原 辰徳、宮部みゆき諸氏の似顔絵が個人的に好きです。
ホント、面白いいしい作品。
これはもう〈いしいひさいち漫画〉と云うひとつのジャンルです。

前置が長くなりましたが、
「おじゃまんが山田くん」です。
1980〜1982年に放映されたアニメ。
大好きでした。
日曜の夜7時から楽しく観ていました。
東京は東江戸川三丁目に住む、山田一家とその隣りの山田荘の人々の物語。
ありふれた市井の面々のフツーの生活なのですが、面白いのです。
ホントバカバカしくて良いです。
原作はいしい先生がさまざまな雑誌に寄稿した四コマの中から山田一家の生活のモノをまとめたアニメであり、確固たる「おじゃまんが山田くん」という原作は存在しません。
これらの四コマを元にいしい先生がアニメ用にキャラクターをデザインし直したのが「おじゃまんが山田くん」です。
のちに双葉社が〈ひさいち文庫〉としてアンソロジーが刊行され、「山田家の人々」というタイトルで
おじゃまんが山田くんのモチーフとなる四コマ集がまとめられました。
東江戸川三丁目という舞台も、元々はいしい先生が大学生時代から漫画家として一時期生活していた、大阪市東淀川区をアニメ用に改変したものなのです。
ちなみに僕は浪人時代に江戸川区に住んでいて、「これがおじゃまんが山田くんの舞台かぁ」と嬉しくなりました。
今は大阪に住んでいますので、淀川区を訪れたときに再び、いしいひさいちワールドを味わいました。
其処は先生の代表作である「バイトくん」の舞台でもあります。
大学時代、そしてフリーター時代の僕はまさに「バイトくん」でした。
今も大して変わってないかも。

では。
ようやくシングルの話題です。
前回の記事でお伝えした通り、アニメの主題歌は山本正之さんによるものです。
当時は知る由もありませんでしたが,大人になって知った時は納得しました。
「タイムボカンシリーズ」での悪玉トリオのイメージとおじゃまんが山田くんのキャラクター達はどこか似ている気がしたので。
負けっぱなしの悪玉トリオと日々の生活に追われている山田家の人々。
哀愁が漂ってますね。
山本正之さんのユーモアとペーソスをちりばめた楽曲。
良いですねぇ。
A面のオープニングテーマ、「おじゃまんが山田くん」。
こおろぎ’73の皆さんが東江戸川三丁目の町内に住む、様々な人々を明るく朗らかに歌っています。



♪ひがしーえどがわ さんちょうめっ
 「さんちょうめっ!」

B面はエンディングテーマの「今日も夕やけ」。
どこか懐かしい,童謡の様な楽曲。
♪あいうえオジサン かきくけコドモ

http://youtu.be/0Abor1kyap4

これを聴くと、もう日曜日もおわりなだぁ、と思います。

二曲ともアレンジは、なんとクニ河内さん。
楽しくて明朗なサウンド、さすがですねぇ。

このアニメと云えば、CMに入る前のアイキャッチも印象に残りますね。

♪おーじゃま じゃまじゃま〜 
 おじゃまんが

まさにムシ声。
良いですねぇ。
さすが山本正之さんです。

このアニメは当時、「サザエさん」(18:30〜)の後に放映されていました。
「サザエさん」もご存知の通り、家族三世代の日常生活の物語です。
今も放映しています。
国民的漫画。
現在、朝日新聞の朝刊で連載されている四コマ漫画「ののちゃん」はご存知でしょうか。
元々は「となりの山田くん」として1991年に連載開始されましたが、1997年に改題されて現在に至っています。
つまり「ののちゃん」も「おじゃまんが山田くん」シリーズなのです。
「ののちゃん」はこれまでのいしい漫画の集大成的な感じもします。
そして「サザエさん」も元々は朝日新聞で連載されていた四コマ漫画なわけで。
「サザエさん」と「おじゃまんが山田くん」が同じ曜日の夜に連続して放映されていたことはなんとも不思議な巡り合わせだとつくづく思います。

そして、上記で紹介したムックでの「でっちあげインタビュー」にて、
いしい先生は「サザエさん」を評して曰く、
「〜国民漫画ができるだけ多くの人に愛されねばならないことの代償でしょう、4コマ作品としては平凡、作家としては凡庸というのが正直な感想でした」。
現役漫画家の切れ味鋭いコメントだと思います。
僕は「サザエさん」も好きです。漫画のですが。
「よりぬきサザエさん」は全巻持ってます。

高畑勲監督が「となりの山田くん」を原作としてアニメ映画を制作していましたね。
「ホーホケキョ となりの山田くん」です。
かつて高畑監督が「じゃりんこチエ」もTV化と映画化も行っていますが、「チエ」も「ののちゃん」も世界観に通じるものがあるのでしょう。
僕も「じゃりんこチエ」は大好きです。

一時期、病気療養の為に「ののちゃん」を始め,雑誌連載がストップされてしまった先生ですが、今はお元気に連載されています。
どうぞ、これからも我が道を行くような「いしいワールド」で笑わせて欲しいと思います。

アニソン特集、以上!
お粗末でした。
また近いうちにすぐやる予定です。

♪お〜じゃま じゃまじゃま
 お〜じゃま じゃまじゃま
 おじゃまーんが


『おじゃまんが山田くん』《CK-574》〈作詞・作曲:山本正之/編曲:クニ河内〉(02’59’’)【1980】
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コメント 2

いとぞう

いしい先生のことはそんなに詳しくはないですが、このアニメは好きで毎週観てました。
僕が小学校高学年だったこの頃、1年ほど事情あって実家から少し離れた場所に住んでたんですが、そこの家から歩いてすぐのところに本屋があったので、漫画読みにしょっちゅう通っていました。あの頃が一番、漫画を読んだ時期かも。なので、この主題歌聴くと、その頃を思い出します。
日曜の夕方から夜は何となく寂しい・・皆、同じでしたよね。「笑点」観て「レッツヤン」観て「サザエさん」観て「おじゃまんが山田くん」
エンディングテーマは久しぶりに聴きました。懐かしいなあ・・あの頃にタイムスリップしました。
by いとぞう (2012-06-27 20:31) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
コメントありがとうございます!
笑点〜レッツヤン〜サザエさん〜おじゃまんがの展開、懐かしいですね。
子供の頃はもう夜の8時くらいになると淋しかったですよね。
テーマソングを聴いただけであの頃を思い出してしまう。
音楽って不思議です。
タイムマシンです。

by 都市色 (2012-06-28 21:25) 

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