『夢の外へ/星野 源』 [星野 源]
こんばんは。
平賀さち枝さんに続いては、星野 源さん。
こちらも僕の好きなシンガーソングライターの新しいシングル。
がんばれ、がんばれ 源さん!
タイトルの「夢の外へ」は化粧品のCMソング。
僕はほとんどテレビを観ないので知りませんでした。
急旋回で飛ぶようなストリングスの音色のイントロから始まり、
陽気で親しみやすいサビのメロディがスルリと通り抜けます。
ハンドクラップの合いの手とのびのびとしたアコースティック主体のアンサンブルも涼やか。
この曲ではストリングスが終始効果的に響いていますね。
エイトビートから間奏で三拍子~八分の六拍子、そして再びエイトビートへ。
華麗に劇的にスリリングな9人編成のストリングス。
弦と源が絶妙な競演です。
この曲も前作「フィルム」と同様、《夢》《虚構と現実》をテーマに歌っています。
夢の中(自分の世界)へ引き篭もるのではなく、夢から抽出した自分の世界を現実へ持ち込もうとするポジティヴな意思。
嘘とホントの境目をちゃんと理解して、どちらをも愛せる源さんはとてもバランスが良くて健全なアーティストのだと思います。
楽しいですね。
ユーモアって大事です。
二曲目は「パロディ」。
この曲は映画「ぱいかじ南海作戦」という映画のテーマソングだそうですが、最近映画も観ていませんので知りませんでした。
70年代っぽいアーシーで南部風なロックナンバー。
朗らかで陽気なホーンセクションが効果的。
ちなみに1、2曲目とも同じ演奏者達で、ベースは伊賀 航さん、ペダルスティールは高田 連さん、ドラムは伊藤大地さん。この三方は細野晴臣さんのバンドでも演奏されているので、この手のサウンドはお手の物という感じです。
ピアノを弾いている野村卓史さんはグッドラックヘイワというバンドの鍵盤奏者で、前回の平賀さち枝さんのシングルでも弾いています。
コーラスではceroの面々が参加しています。
三曲目は「彼方」。
センシティヴで陰りを帯びたミディアムテンポのバラード。
地味ですがシンガーソングライターとしての源さんの深い魅力が味わえます。
淡いメロディとファルセットを使った歌唱がいい塩梅です。
ラストの四曲目は「電波塔(house ver.)」。
彼のシングルではおなじみの、「星野 源自宅録音シリーズ」。
東京タワーで使用されている鉄骨の三分の一は戦車で作られている>という話からインスパイアされて作られた曲。タワーの鉄骨が戦時中の兵器から出来てるなんて想像もしませんでしたが、戦後の物資が不足していた時代なら考えられる事ですね。なるほど。勉強になります。
それはそれとして朴訥とした味わいの子守唄のようにシンプルな歌。
がんばれ東京タワー。
ちなみに今回のシングルも初回盤には特典のDVDが付いてきまして、相変わらず70分の大ボリュームでのほほんと楽しませてくれます。太っ腹。
ライヴあり、PVあり、そして笑いあり、というか全体的に笑いありの微笑ましい内容。
おおらかで自然体な彼の人柄の魅力にも惹かれます。
快男児ここにあり、です。
『夢の外へ』《VIZL476》<作詞・作曲・編曲:星野 源/ストリングス編曲:岡村未央、星野 源>(03'52'')【2012】
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