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『東京ディスコナイト/スクーターズ』 [邦楽ロック/80年代]

東京ディスコナイト.jpg

こんばんは。
昨今は往年のバンドの再結成が盛んですね。
今は賛否両論と云うより《賛》の方が勝っているような。
90年代辺りはまだ《再結成》と云う言葉にはネガティヴなイメージがつきまとっていましたが。
《赤信号 みんなで渡れば 恐く無い》、なんてツービートの標語じゃないですが、再結成しないバンドの方が珍しい気もします。そんなことないか。
保守的な音楽ファンを相手にした美味しいビジネスモデル。
こんなことを書いたら怒られますね。
ご免なさい。
色んな要因が考えられますが、ロック世代の高齢化が大きいのだと思います。
まあ、好きだったバンドが活動を再開してくれるのは素直に嬉しいものです。

さて、
東京モータウンサウンド、奇跡の復活です!!
Gonna take a miracle !!!
コンテムポラリープロダクションとして80年代中期から現代まで、多くの日本の人気ロックミュージシャンのアートワーク回りを手掛けて来た売れっ子デザイナー、信藤三雄氏が70年代末〜80年代初頭に組んでいたバンド、スクーターズ。
メンバーの多くが信藤さんと同じくデザイナー仲間ということでほぼ同時期に活動していたプラスチックと通じますね。
プラスチックスがニューウェイヴ〜テクノポップという当時の最先端を追っていたのに対し、スクーターズは50年〜60年代のR&Bやガールグループなどのオールディーズを特徴としていたのが対照的。和製ロニー スペクターって感じの“ロニー バリー”こと、星野節子さんのパンチの効いたお侠なリードヴォーカルが魅力のガールグループ&バンド。
で信藤さんは“マギーシン”という名でギター担当。
そんなスクーターズが約30年ぶりにニューアルバムをリリース。
タイトルは『女は何度も勝負する』。
最高なタイトルですよね!

バンドは1982年にデヴューアルバム「娘心はスクーターズ」をリリースして、翌年に一旦解散しますが、1986年にR&Bのスタンダード二曲をレコーディングしたり(ソリッドレコードのオムニバスアルバムに収録)、イラストレーター&デザイナーの湯村輝彦氏のトリビュートアルバムでも「pillow talk」のカヴァーをレコーディングしたり、信藤さんが監修を務めたバンドのアンソロジーをリリースしたりと、単発な再結成はありましたが、今回のようにブランニューなアルバムリリースは初めて。
しかも豪華な作家陣を擁しての。
宇崎竜堂、伊集院幸希、筒美京平、橋本 淳、小西康陽、志摩遼平諸氏。
そして勿論信藤さんも曲を書かれてますし、2010年に亡くなられたメンバーの中西保子さんの残した楽曲も収録されています。そしてそして他にもグレイトなカヴァー曲などなど。
僕もゲットしましたが、素晴しい出来映えです。

と長々と前置きが長くなっちゃいましたが本題です。
スクーターズのリリースした唯一のシングル「東京ディスコナイト」。
彼らの代表曲でもあります。
作詞は星野節子さんとMCやパーカッション担当のメンバーの“ターバン チャダJr.”こと高橋秀幸さん。
作曲は信藤さんと、元シュガーベイブの村松邦男さん。
「娘心は〜」の収録曲でもあるのですが、アルバムリリース後にシングルカットの際、ムーンライダースの鈴木慶一さんのアレンジで再レコーディングされています。
アルバムバージョンは「娘心は〜」の全アレンジを担当された村松さんによるものでした。
シングルバージョンもアルバムバージョンもどちらもシュープリームスの「恋はあせらず」を下敷きにアレンジされていますが、村松さんがR&RやR&Bっぽいソリッドなサウンドを志向していたのに対し、鈴木慶一さんのアレンジはもう少し歌謡ポップス風にバタ臭く仕上げています。
どちらが良いかは好みの問題ですが、慶一さんのアレンジの方が派手でシングル向きだと思いました。
ロニーさんの歌声もアルバムバージョンよりシングルバージョンの方がリラックスしていて明るい感じがします。
泣いているような笑っているような、感情の起伏の激しい無邪気な歌声のロニー。
恋する喜び、踊ることの高揚感が曲に封じ込められています。
ウキウキするメロディ。
多幸感に充ちたアップビート、カラフルなサウンド。
とにかく東京モータウンサウンドの名に恥じない名曲だと思います。
最高のパーティソング。

http://www.youtube.com/watch?v=BddPaW-lhHY

B面はザ・ピーナッツのカヴァー「恋のバカンス」。
岩谷時子&宮川泰コンビによる歌謡ポップスの不朽の名曲を欧風なガールポップスにリアレンジ。
楽曲の哀愁メロディの美しさを活かしています。
こちらも鈴木慶一氏が編曲を担当しています。
伊藤エミ、ユミ姉妹のようなハーモニーの魅力とは別のガールグループらしいコーラスワークを意識した音作り。ロニーさんの情熱的な歌声も素晴らしい。

さて、先述のスクーターズの最新作を愛聴しているのですが、
特に小西康陽さんが作詞作曲したノーザンソウル歌謡「かなしいうわさ」は評判が高いですね。
ピチカートのアートワークを数多く手掛けた信藤さんのたっての楽曲提供希望なのでしょう。
僕も大好きです。名曲ですよね!リスペクトを感じます。
思えば小西さんはピチカートファイヴ時代のレコーディングにも星野節子さんをバックコーラスに何度か起用されていました。
彼女の歌声を愛していたのでしょう。
小泉今日子さんがミニアルバムで「東京ディスコナイト」をカヴァーした時もアレンジを担当したのは小西さんでしたね。
僕も小西康陽さんを通じてスクーターズにハマったクチなので、こうして時代が巡って再び星野さんのチャーミングな歌声が聴けて嬉しかったです。
他にもこのアルバムにはファントムギフトのサリー久保田さんがベースを弾いていたり。
渋谷系、ネオGSなどの流れも感じます。
さらに、ダウンタウンブギウギバンドの宇崎さんやGSに名曲を多く残した橋本&筒美コンビ、そしてネオGSの末裔のような毛皮のマリーズのメンバーだった志摩さんらも曲を提供していますし、何だか大きなサークルを感じます。
だからバンドの再結成も悪くないな、なんて思っちゃいます。

ちなみに僕が所有しているシングル盤は90年代中期にVIVID SOUNDが企画して再発された7インチです。
湯村さんのイラスト最高です!

『東京ディスコナイト(Single Version)』《MOR-6022》〈作詞:高橋秀幸、星野節子/作曲:村松邦男、信藤三雄/編曲:鈴木慶一〉(03’10’’)【1983】


女は何度も勝負する

女は何度も勝負する

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hotwaxtrax
  • 発売日: 2012/07/11
  • メディア: CD



コンプリート・コレクション

コンプリート・コレクション

  • アーティスト: スクーターズ
  • 出版社/メーカー: ウルトラ・ヴァイヴ
  • 発売日: 2003/06/01
  • メディア: CD



A Tribute to Terry Johnson;Pillow Talks

A Tribute to Terry Johnson;Pillow Talks

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 2001/10/24
  • メディア: CD



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コメント 1

都市色

>thagiさん、niceありがとうございます!
by 都市色 (2012-08-23 20:29) 

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