SSブログ

『TIME OUT / The DAVE BRUBECK QUARTET』 [ジャズ]

スキャン0070.jpg


こんばんは。
久しぶりにジャズを取り上げてみましょう。
クリスマスも過ぎても相変わらず慌しい年末には、落ち着いたジャズの音楽が合う気がします。

ジャズ・ピアニストのデイブ・ブルーベックさんが今月の5日に心不全でお亡くなりになりました。
91歳でした。
翌日の6日が誕生日なので91歳を十分に生きられたのですね。
大往生といえるかも知れません。
デイブさんが率いた四重奏楽団、デイブ・ブルーベック・カルテットの代表作『Time out』からのシングル。

ロックに比べてジャズにはそれほど詳しくはないですが、好きで良く聴きます。
1959年に作られたアルバム『Time Out』の収録曲『Take Five』は大ヒットしたそうです。
僕がこの曲をはじめて聴いたのは80年代のテレビのコマーシャルの音楽からでした。
栄養ドリンク剤のCMでした。
僕と同世代の人はそういう人が多いのではないでしょうか。

子供ながらにもCMから流れるユニークなメロディがとても印象に残りました。
大人な感じがしました。
哀愁を帯びたフレーズ。
その後、大学時代からジャズを聴き出してこの楽曲と再会を果たすのですが、この曲を演奏してたのが、
デイブ・ブルーベック・カルテット。
ジャズ史に残る名盤『TIME OUT』(1959)。
このシングルも大学時代に買ったものだと思います。
33回転です。

“TIME OUT”の意味は〈小休止〉だと思われますが、このアルバムの内容を鑑みるに〈調子っ外れ〉って感じでしょうか。
ジャズといえば基本的には4/4拍子なのですが、このアルバムではそれ以外のリズムを採用して演奏された楽曲が多いです。いわゆる〈変拍子ジャズ〉の代表的アルバム。
その際たるものが今回取り上げる『Take Five』。
5/4拍子のリズムが印象的。
この曲を書いたのはこの楽団のサックス奏者、ポール・デズモンド氏。
彼もジャズ界に於けるスタープレイヤー。
この楽団はデイブ・ブルーベック、ポール・デズモンドの2大スターを擁する双頭楽団。

ブルーベックと デズモンドがいた DBQ

安田謙一さんの最新著作をヒネってみました。
面白い本ですよ。

それはそれとして、
この二人以外のメンバー、リズム隊は活動時期によって変動がありまして、この時代はベースがユージン・ライト、ドラムがジョー・モレロの両氏が参加しています。

遠く彼方から一定の5拍子のリズムがフェードインしてきます。
ピアノ、ドラム、ベースが淡々とクールにリズムを刻んでいくイントロから、
デズモンド氏が主旋律をブロウします。
物憂げな渋いメロディですが、どこか親しみがあって耳に不思議な印象を残す旋律。
欧風の様でもあり、中近東的でもあり、アフリカ的でもあり、なんともいえない無国籍な雰囲気ですね。
ジョン・コルトレーン氏の名盤『My Favorite Things』の同名曲の演奏にどこか似ている気がします。

オリジナルの演奏では、中盤はジョー・モレロ氏のドラムソロが展開されます。
こちらもわりと地味ですが技ありなソロ演奏です。



こちらのライヴ演奏も素晴らしいですね。
クールでヒップです。

B面は『Blue Rondo A La Turk 』。
『トルコ風ブルーロンド』という邦題が付けられています。
この曲はなんと9/8拍子です。
イントロから矢継ぎ早に《2、2、2、3》と慌しくビートが打ち続けれます。
時間に追われている現代社会のアラーム音のような。
この曲を書いたのはデイブ・ブルーベック氏。
演奏は、緊張感のあるスリリングな9/8拍子から、リラックスした4ビートのデズモント~ブルーベック両氏のソロへ流れていく展開もカッコいいです。
9/8拍子のリズムがやがて激しくなり、ドラム、ベース、サックス、ピアノの四つの楽器がパーカッシブにリズムを打ち付ける辺り、とても迫力があります。
その後、9/8拍子と4/4拍子がテンポよく繰り返されます。
緩急自在な息のあったアンサンブルを楽しめます。
名作アルバムのオープニングを飾る勢いのある楽曲。



上記の二曲を収録した『Time Out』、僕はこれからもこの名盤を聴き続けることでしょう。
この二曲以外にも素晴らしい作品が多くアルバムには含まれています。
どの曲もリズムに工夫を凝らしながら、リラックスして楽しめる演奏ばかり。
慌しい現代社会、または都会生活のひとときの憩いのようなJAZZ。

今頃は、ブルーベック氏は天国に迎えられて、デズモンド氏と競演しているかもしれませんね。


それでは拙ブログも今年はコレで最後です。
お正月はTIME OUT しようと思います。
また来年。
皆さん、良いお年を・・・。

『Take Five』《LSS-69-C》〈Written by Paul Desmond〉(05'24'')【1959】


Time Out

Time Out

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1997/03/27
  • メディア: CD



ブルーベック~デスモンド+8

ブルーベック~デスモンド+8

  • アーティスト: デイヴ・ブルーベック,ポール・デスモンド,ワイアット・ルーサー,フレッド・ダットン,ロイド・デイヴィス,ハーブ・バーマン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2012/10/10
  • メディア: CD



デイヴ・ディグズ・ディズニー+2

デイヴ・ディグズ・ディズニー+2

  • アーティスト: ザ・デイヴ・ブルーベック・カルテット,デイブ・ブルーベック,ポール・デスモンド,ノーマン・ベイツ,ジョー・モレロ
  • 出版社/メーカー: ソニー・ミュージックレコーズ
  • 発売日: 2000/11/22
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。