SSブログ

『幻の水族館/豊田道倫』 [邦楽ロック10年代]

スキャン0084.jpg

こんばんは。
豊田道倫さんの昨年末に発表されたニューシングルを。
昨年の夏にリリースした『The End of The Tour』に続いて、今回も宇波 拓さんとの共同プロデュース。

一曲目、タイトルソング『幻の水族館』。
良い題ですね。
波のSEの彼方から静かにアコギが鳴り始めたかと思うと、一瞬の間を置いて、
エレクトリックギターのノイジーな轟音が溢れ出します。
擬似バンドサウンド。
いくつものギターの音を重ねているようで迫力がありますが、
8ビートの騒音の塊はどこか楽しげで儚げでユーモラス。
なんとなくシューゲイザーっぽいサウンドに乗って、歌うのは“MAHOΩ(マホー)”というバンドのメンバーの“じゅんじゅん”という女性。
Aメロにて、彼女の透き通るような歌声で繰り返す
“♪まぼろしの すいぞっかん  すきとおる すきとおる”
というフレーズはメロディもなんとなくひんやりとしていてムードがあります。
淡々としたシンプルなメロディ構成も良いです。
Bメロからボーカルを担当する豊田さんが高いキーで無理やりに歌い倒すのが良いですね。
豊田さんなりのポップセンスが光ります。
海の底で揺らめいているようなギターサウンド。
宇波さんのサウンドメイキングも功を奏していると思われます。
名盤『実験の夜、発見の朝』の頃のサウンドを髣髴させて嬉しくなります。
快調ですね。



豊田さんの歌も使われた映画『遭難フリーター』を撮った岩淵弘樹氏によるPVも良いですね。
豊田さんの怪しくてグダグダな演技も面白いです。

二曲目は『10年ぶりにさようなら』。
しみじみとした、叙情的な弾き語りフォークソングも豊田さんが歌うと何か違うんですよね。
豊田さんが敬愛する松山千春風にキめても、独特な歌声がオルタナティヴ・フォークと化す。

三曲目は『ミッドナイトFM』。
リズムボックスとエレキギターの爪弾きによるインスト曲。
これもなんだかしみじみ。

四曲目は『2011』。
2011年1月28日、六本木Super Deluxeというイベントスペースでのライヴ音源。
’70年代からアンダーグラウンド・シーンで活動している音楽家、工藤冬里さんとの共演。
アコギをサクサク弾きまくりながら疾走する豊田さんの歌。
それをバッキングするアカデミックでアバンギャルドな工藤氏のピアノ演奏。
工藤氏の冴え渡る演奏に煽られて、いつもより熱っぽい豊田さんのボーカル。
いつになくビシッとした豊田さんのパフォーマンスであります。

今回も充実したシングル内容。

この調子で早くニューアルバムを聴きたいです。
やぶれかぶれな豊田さんもいいですが、先述の『実験の夜~』とか『Rock Dream』、『東京の恋人』のようなアルバムをまた作って欲しいです。

『幻の水族館』《HAPCD003》〈作詞・作曲:豊田道倫〉(05’08’’)【2012】


幻の水族館

幻の水族館

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: HAPPENING
  • 発売日: 2012/12/26
  • メディア: CD




The End Of The Tour

The End Of The Tour

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: HAPPENING
  • 発売日: 2012/08/15
  • メディア: CD



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。