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『遊星都市/失敗しない生き方』 [邦楽ロック10年代]

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こんばんは。
CD-Rをもう一丁!

“mori wa ikiteiru”の次は、“失敗しない生き方”というバンド。
なんだか新書のタイトルのような、ネーミングがヘン。
最近はバンド名っぽくないネーミングのバンドが散見されますよね。
“禁断の多数決”とか、“片想い”とか。
でも名前だけじゃなく、音楽性もユニークで。
聞こえがイイだけのスカした英語のバンド名よりいいかも。

このバンドもそれほど詳しいことは知らないのですが、
サイトを覗いて見ますと、東京郊外の三鷹周辺で活動しているヤングなバンドだそうで。
CD-Rのタイトルは『遊星都市』。
“遊星都市”は作品名で、“失敗しない生き方”がバンド名。
逆じゃないかと一瞬心配になりました。
ジャケットもユニーク。
東芝エクスプレス・レーベルのドーナツ盤の穴から覗く、女性と思しきつぶらな瞳。

そんな訳で一曲目『クックブック』。
自暴っぱちにブロウするサックスの朗らかなリフが耳を惹くイントロ。
内気な乙女の如き繊細な女性ヴォーカルとクセのある男性ヴォーカルのやや不安定なデュエットで進むポップで人懐っこいメロディ。
淡々としたリズム隊のミディアムテンポの演奏の中に時折突っかかって来る風来坊なサックスが面白く、間奏では何故かサックスを筆頭に演奏全体が暴れん坊状態。

二曲目は、70年代のシティポップスを装った『月と南極』。
ソロを取る女性ヴォーカルの寄る辺なさは大貫妙子さんの幻を映し出します。
メロディは頗るメロウ。
ざっくりと豪快な16ビートの演奏、ぶっきらぼうに絡みつくサックスソロのユーモラスな響き。
シティポップスを演じても何となくはみ出した感じが面白いです。

三曲目は『自動車泥棒』はジャジーなインスト曲。
イタリア・ネオリアリズモ映画にインスパイアされたような哀愁を漂わせるブルージィな演奏。
リードサックスが奏でるやさぐれてフリーキーなソロ。
コミカルでトボケた風味のリズム隊も味わい深く。
演奏が進むにつれ演奏やミキシングが逸脱して破綻していきます。
でも素面で冷静な感じも演奏の中に感じられて。
大胆不敵な音創りに圧倒されます。

四曲目は『カントリーウェスタンロードムービー』。
一曲目でヴォーカルを取った男性が再びリードを取ります。
声帯の狭く、クセのある歌声。
ルーズで酔っ払ったような演奏とメロディがユーモラスに響きます。

なんというか、実に掴みどころの無いバンド。
小さくまとまることなく飄々としていて、過剰でオフビートなセンスに魅力を感じます。
何となく葡萄畑という70年代のバンドを思い出したりして。
とっちらかった音楽性も自由な感じが良いですね。

ライヴも観てみたいと思いました。


『クックブック』《SHIT-001》〈楽曲クレジットなし〉(03'27'')【2013】


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