『恋はシーソーゲーム/徳丸純子』 [邦楽女性アイドル/80年代]
こんばんは。
〝俺のラグジュアリー歌謡〟特集、張り切っていってみましょう。
最近出版された『ラグジュアリー歌謡』(DU ブックス刊)を巡ってあれこれ思いを馳せながらブログを更新します。
前回に続いて、80年代女性アイドル。
徳丸さんの3rdシングル『恋はシーソーゲーム』
彼女もアイドル花の'82年組。
当時は名前は存じ上げていましたが、曲を聴いたのは岡本舞子さんと同じく、大人になってから。
勿体無い、もっと早く聴いておくべきでしたね。
振り返れば、80年代は色んな“丸”がいましたね。
薬丸、薬師丸、源五郎丸、バッテンロボ丸、つるピカハゲ丸、亜仁丸、金丸、はに丸、豊丸・・・・・。
いっぱいいました。
思いっきりどーでもいいことですね!
話が急カーブしました。
この楽曲も実に素晴らしくて。
作詞を大貫妙子さん、そして作曲&アレンジが清水信之さん。
大貫さんの欧風ロマン派サウンドに貢献していたアレンジャーの一人が清水さんでした。
当時、まだ20代前半ながら売れっ子アレンジャーで現役バリバリ伝説でした。
凄いですね。
でも当時はそういうのが当たり前、ではないですがデヴューしたてのアイドルに有能な作家陣がバックアップする例は多々ありました。
今思うとやっぱりラグジュアリーなのでした。
そんな魅惑のコンビが手がけるアイドルソングはフレンチポップス風歌謡。
ドラマティックなイントロからよろめきます。
想いを寄せる相手へのアプローチ。
高まる情熱を抑えられず、まるでシーソーのように不安定に揺れて傾く気持ち。
お互いに微妙な距離感を確かめて、少しずつ、ゆっくりと心も結ばれたい。
大貫さんらしい、ソフトで繊細な慕情を込めた歌詞が良いですね。
アレンジャーとして才を振るう清水さんですがメロディメイカーとしても冴え渡る旋律。
淑やかなAメロ、Bメロから、サビで泣きメロのつむじ風が巻き起こります。。
マイナー調のミステリアスなメロディが心に波紋を呼び起こします。
徳丸さんの儚げで澄んだ歌声も楽曲の世界にピッタリで。
華奢で薄幸美人な容姿が良いですね。
B面は『涙のAdieu』。
タイトルからしてフレンチでおセンチざんす。
作詞は竹花いち子女史、作曲は同じく清水氏、そしてアレンジは村松邦男、乾 裕樹の両氏。
ロマンティークでプティート、60年代の欧風なムードが芳しいシャンソン風。
失恋の歌ですが、A面と打って変わって明るい徳丸さんの歌声も品良く無邪気。
フランスギャルのようなあどけなさ。
う~ん、ラグジュアリーな洋菓子ポップス。
アレンジャーとして活躍していた村松邦男さんはこの時期、ソロ活動を始めていますね。
竹花さんも作詞で参加していました。
ラグジュアリー歌謡でも取り上げている彼女のアルバムは素晴らしいですね。
特に清水氏が全面的にプロデュースした2ndアルバム『青のないパレット』の評価は高いですね。
you tubeに上がっていたアルバムの一部の楽曲の音源を聴いたことがありますが、最高でした。
大貫さんの『横顔』のカヴァーも入ってます。
ハートを掻き毟られるアイドルポップスの傑作でした、
が、
アイドル歌謡ファンからの再発の要望も高いにも関わらず、なかなか実現しません。
当時のレコード会社、TDKレコードの再発は難しいようですね。
現在TDKの音源は日本コロムビアが所有しているそうです。
詳しいことは判りませんが、様々な権利関係が複雑に絡み合っているようで・・・。
でもTDK関連の音源の復刻へ熱心に働きかけて下さっているありがたい方もいらっしゃって。
少しずつですが他のアイドルやミュージシャンの再発も実現しています。
是非応援したいですね。
まぁ、望みを捨てないで、長~い目(小松正夫さんのポーズで)で見守りたいと思います。
なんとか業界の関係者の方々にも引き続きご尽力頂きたいです。
いつの日か、CDで復刻されてこの喜びをアイドルファンの方々と分かち合える日が来ますように・・・。
コロムビアさんもよろしくお願いします!!
『恋はシーソーゲーム』《TO7S-1039》〈作詞:大貫妙子/作曲・編曲:清水信之〉(02’55’’)【1983】
ラグジュアリー歌謡: (((80s)))パーラー気分で楽しむ邦楽音盤ガイド538
- 作者: 田中 雄二
- 出版社/メーカー: DU BOOKS
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: 単行本
コメント 0