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『通りすぎても/岸 正之』 [邦楽ロック/80年代]

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押忍!

少し間が空いちゃいましたね。
皆さん、お変わりはありませんか。
僕は風邪を引いてしまいました。
天気はイイですが、肌寒いですね。
五月にしておくには勿体無い冷たさでした。

五月らしく、温かく少し汗ばむくらいじゃなきゃ。

と云うわけで、スカッと爽やかなシングルをお届けしましょう。
遂にやって来ました。
岸 正之さん。
僕のフェイヴァリット・ソングライター。
作曲家として有名ですが、シンガーとして活動していたコトはあまり知られていません。
大学時代に制作したデモテープが“PICO”こと、樋口康雄さんに高く評価されたことがきっかけで音楽業界に入り、ビクターが主催する音楽コンテストでの入賞を経て、同じくビクターから1982年にソロシンガーでデビューします。
歌手としての岸さんは、二枚のアルバムと二枚のシングル残しています。
すべてビクターから。

と言うわけで岸さんの1982年にリリースした1stシングル『通りすぎても 』。
西海岸のAOR風な作品。
センシティヴなメロディが心の隙間を吹き抜ける素敵な曲です。
ソロシンガー時代は岸さん自身が作詞を手掛けているものも多く、この曲も岸さん。
岸さん以外では小林和子さんが手掛けていました。
恋の終わりに近づいた男と女。
男性側の視点から二人の心の移ろいを確かめています。
岸さんの繊細な表現が素晴らしいです。
アレンジは清水信之さん。
岸さんが作曲家として関わった作品では清水さんと多く組んでいます。
Lip'sの『Splendid Love 』は其の際たる物でしょう。
歌手時代はこの一曲のみでした。
岸さんのサイトでの楽曲解説によれば、ベース以外の演奏を全て清水さんが担当したそうです。
デヴィッド・フォスターとジェイ・グレイドンの役割を一人でこなしてしまう清水さん。
グッと引き込まれるようなエレキギターのイントロのフレーズ。
ドラムはドラムマシンのLinnを使用。
ベースも最初は清水さんだったのですが、美久月千春さんが弾き直したそうです。
岸さんの歌唱と相まって透明感のあるクリアなサウンド。
当時の洋楽のエッセンスが完璧に咀嚼されています。

 ♪ 100の言葉を探して   たどりついた さよならが   愛だとは 愛だとは   あの日 気づかずにいたから


この曲はアルバム未収録。

B面は『Ordinary Girl 』。
作詞作曲編曲全て、岸さんが手掛けています。
この曲は1stアルバム『Warm Front 』にも収録されています。
都会のありふれた生活の中にふと過ぎるいにしえの恋の記憶。
追憶を静かに見つめるような美しいバラード。
2曲共に歌詞から優しい眼差しが感じられます。
涼しげなテノールの歌声。
小田和正さんにも通じる美声。
この曲ではアコースティックギターも岸さんが弾いています。
エレクトリックピアノは奥 慶一氏によるもの。

そんな岸 正之さん、
ジャケットをご覧になればお分かりの通りハンサムなんです。
ハンサムって死語なんですかね。
まぁ、いいや。
歌も上手いし、ギターも上手い。
裏方にしておくのが勿体無いくらいのルックス。
青山学院大学出身だし。
横浜出身だし。
都倉俊一さんにも負けない二枚目作曲家と言えます。
プレイボーイな都倉さんに比べて岸さんはシャイな方のようです。
岸さんのホームページを見てるととても腰の低いスマートで知的な方だと判ります。
プライベートもあまり語られなくて、謎が多いです。
そういう奥ゆかしいトコロも魅力であります。

拙ブログへいつも温かいコメントを寄せて下さるいとぞうさんのご厚意で、
岸さんが出演した1982年の7月4日放送分のレッツゴーヤングを以前に観させていただきました。
爽やかな好青年って感じで、アイドルの歌番組というやや場違いな雰囲気に戸惑いながらもバッチリステージを務めていました。
歌ったのはデビューアルバムに収録されている『Say Goodby』でした。
バンドの演奏をバックにエレキギターのソロも弾いていました。
大変貴重な映像です。
この放送ではマッチや聖子ちゃん、倉田まり子さん、坂上とし恵さんなども出演していました。
ありがとう、いとぞうさん!

岸さんのシンガーソングライター時代の二枚のアルバムはどういう訳かCDで未だに復刻されません。
何故か『ラグジュアリー歌謡』にも取り上げられていませんでしたが。
一人でも多くの方に、岸さんの音楽を知って頂きたいです。
作曲家生活も今年で30周年。

是非是非、再発して下さい、ビクターさん。

通りすぎても 』《VIHX-1592》〈作詞・作曲:岸 正之/編曲:清水信之〉(04'22'')【1982】
タグ:岸正之
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コメント 2

いとぞう

岸正之さん、5月の爽やかな風にピッタリ。この曲では作詞も手がけてるんですね。このジャケット、カッコイイです。男前とか、今風にイケメンとか言うより、例え死語でも「ハンサム」という表現こそ相応しいと思います!あの時代のシンガーだと岸田智史さんに近いイメージかな。
BSのレッツヤン再放送の時に初めて岸さんが自らも歌ってたことを知ったのですが、「これは都市色さんに見せてあげなきゃ!」と思ったのでした。
あの映像を観た時、曲は素敵だし、歌声も綺麗だし、見た目もカッコイイし、どうしてこの人が裏方に回ったのか不思議で仕方なかったです。本人の性格とかもあったのかな?
by いとぞう (2013-05-08 19:55) 

都市色

>いとぞうさん、こんばんは。
今回もコメントありがとうございます!
お陰で貴重な映像を観る事ができました!
そういわれてみると、岸さんは岸田智史さんに少し似ていますね。
岸さんのサイトによれば、
岸さんは歌手活動中も作曲家としても平行して活動していたそうですが、アーティスト活動より作曲家に手応えを感じていたようですね。
歌手としての作品より、楽曲提供した作品の方が反響が判りやすい、と云うこともあったそうです。
実際、80年代中期以降、岸さんがアイドルに書いた曲は軒並みヒットしましたから。
最近の活動についてはあまりわからないのですが、またアイドルに書いて欲しいです。

by 都市色 (2013-05-09 23:50) 

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