『ギャグ／星野源』：03'54''：So-net blog

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『おれは鉄兵／藤本房子、こおろぎ'73、..｜『LOOKING FOR ATLANTI.. ブログトップ

『ギャグ／星野源』　[星野源] [編集]

こんにちは。

前回、ちば先生のシングルを取り上げましたが、
なんと、ちば先生のブログによると、『のたり松太郎』のアニメ化の企画が進行中という事。
さらにコミックスでも復刊されるらしい。
う～ん、素晴らしい。
『松太郎』は以前にもアニメ化されていますが、観たことがありませんで。
朝青竜以上の角界の問題児、松太郎がどのように描かれるか楽しみです。
『鉄兵』も読み返してみましたが、やっぱり面白かったです。

てな訳で、星野源さんの五月にリリースされたシングルを。
タイトルは『ギャグ』。
星野さんによると、この曲はすべての漫画家、アニメーション製作スタッフに捧げられているそうです。
この曲自体、ご本人が声優を担当した劇場用アニメーション（漫画が原作の）『聖☆お兄さん』の主題歌でもあります。
曲の内容も漫画やアニメーションを題材にした世界観。
ギャグ、というと瞬時に僕は赤塚不二夫先生の一連の作品を思い出さずにはいられませんが、
ユニークなキャラクターたちが縦横無尽に動き回って道化を演じているように、楽曲もスピーディにコミカルに展開されます。
イントロのエレキギターをはじめベースとドラムが織りなすリズミカルなリフからワクワクします。
ドタバタした前のめりな演奏。
肩の力が抜けた、胸のすくメロディ。
コマ割りを介して、マンガのキャラクターに生命が吹き込まれるように、
動作を刻々と描写した絵の連続が動画となって、キャラクターが動き出すように、
星野さんのユニークな視点から発せられるソングライティングと卓越した演奏が相まって、音楽に生命が宿ります。
アレンジは亀田誠二氏が担当。

ちば先生の鉄兵や松太郎たちが暴れまわっている様子や、他にも僕が大好きな漫画のキャラクターたちが動き回っている様子も、この曲を聴いていてイメージしてしまいました。

カップリングは『DUST』。
タイトル通り、“ゴミの歌”。
生活の中に非凡な視点を見出す星野さんの音楽センスの妙。
己の生活に関わり、切り捨てられた負の消費物、ゴミ。
いろんな種類のゴミが焼却され、チリとなって煙となって空に舞っていく。
省みられることのない廃棄物へのエレジー、淡々と物憂げなブルースに乗って。
客演のハマ・オカモト氏のベース演奏が染み入ります。

充実した二曲入りで、税込630円。
実にシングルの鑑の如き値段設定。
その慎ましくさに美徳を感じます。

このシングルの直前にリリースされたアルバム『STRANGER』もいいアルバムです。
スルメのように味わって聴いてます。

そして、六月に公開された星野さんの初主演作品『箱入り息子の恋』（監督：市井昌秀）。
観てきましたが、素晴らしかったです。
話題先行の流行映画とは一線を画した個性あふれる力作。
そんじょそこらの恋愛映画じゃありませんでした。
俳優：星野源の存在感に魅入られました。
主人公を熱演。
大好きな夏帆さんも共演していて、それも実に素晴らしくて。
彼女のヒロインとしての魅力バクハツ。
美しい。
星野さんとも縁のある高田漣さんの音楽も良かったです。
細野さんの歌う主題歌も良かったですね。
笑いあり涙あり、無様で無骨な恋愛映画でした。

再び現在は療養中の星野源さん。
映像界、音楽界の宝なので、どうぞ無理をなさらず休んで欲しいと思います。
大事に。

『ギャグ』《VICL36780》〈作詞・作曲：星野源／編曲：亀田誠二〉（04'37''）【2013】