SSブログ

『白い炎/斉藤由貴』 [邦楽女性アイドル/80年代]

スキャン0229.jpg

こんにちは。
『あまちゃん』の放送がない日常が始まりましたね。
これからずっとそうです。
巷では“あまロス症候群”という事も云われていますが、まぁ、それほど深刻ではないにせよ、寂しいですね。
秋だし。

まぁ、嘆いてばかりもいられません。
前を向いて、余韻に浸りましょう。

ドラマの反響の大きさで関連グッズが鬼のように出まくってますね。
乗るなら今でしょ!の勢いで便乗商品もいっぱい。

関連商品中で面白いと思ったのはクドカン監修の80年代のヒットソングのコンピレーション『春子の部屋~あまちゃん 80's HITS』。
春子が上京したときのまま保存(或いは放置)されていた実家の二階の自室をタイトルに、ミーハーな地方アイドルファンのによる選曲テープの如き熱いコンピレーション。
安易な選曲のヒットソングを集めたコンピレーションは数あれど、ドラマの脚本家が自ら選曲したコンピだと同じ曲が入っていても付加価値が感じられますね。
聖子ちゃんカットが似合う有村架純さんのジャケットもポイント高いです。
劇中のサントラ音源も入ってるし。

という訳で、僕もちょっと便乗してあの時代のシングルを取り上げてみましょう。
いつものことですが。

今夜ご紹介するのは斉藤由貴さんの1985年5月発表のセカンドシングル『白い炎』です。
ということは、春子がオーディションに落ちまくって、喫茶アイドルで働いている頃でしょうか。

これは僕が買った訳ではなく、兄が当時買ってきました。
兄がいないときにこっそりステレオでよく聴いていました。

クドカンによるコンピのソニー編には『卒業』が入っていましたね。
元々はポニーキャニオンからのリリースですけど。
クドカンがファンだった斉藤さんのシングルは名曲揃いで、名曲の陰に隠れてしまいがちですが、
僕はこの曲も凄く好きです。
イイですよね。

彼女が主演した『スケバン刑事』のエンディングテーマ。
モチロン良く観ていました、ハイ。

ドラマティックこの上ない鍵盤のイントロが稲光のように瞬きます。
愁いを帯びた溜息のマイナーコード、激情のエイトビート。
作曲は安全地帯の玉置浩二さん、センチメンタルで泣きのメロディですね。
作詞は森 雪ノ丞さん。
シリアスで薄幸なドラマの世界観にもピッタリな歌詞。
歌詞とメロディの哀愁と孤独感で咽返る程です。

このコンビで翌年『悲しみよこんにちは』を作り出します。
一転して眩しいくらいに明るい曲調でした。

そして、
斉藤さんの秘めた情熱を湛えた、凛とした歌声が素晴らしいですよね。
まっすぐで強い少女の想いが突き抜けていく感じです。



サビでの♪ わたし~ のところで背景に聴こえる吠えるようなSEは犬の鳴き声だと、以前ベストテンで聞いたことがあります。
アレンジは武部聡志さん。
冴えわたるサウンド。

この曲はドラマのエンディングで流れていましたが、タイトルバックの映像は確か、
斉藤さん扮する麻宮サキが都会の繁華街を徘徊する風景が撮影されていました。
恐らく原宿か横浜の街でロケされていたと思います。
そのシーンがとっても良かったですね。
フィルムの質感もイイ感じで。
シリアスな少女ですが、ときおり垣間見せるフツ―の女の子の表情。
1985年の都会の街並みが映っていて、それも懐かしいです。

能年さんも愛するフレネシさんが「不良マネキン」のPVであのエンディング映像の雰囲気を蘇らせています。
スケバン刑事と大映ドラマのエッセンスを見事に抽出しています。

蛇足ですが、エンディング近くの提供のクレジットにもご注意くださいませ。




それから、スケバン刑事で麻宮サキの担任役だったのが平泉 成さんでした。
『あまちゃん』では高校時代のツッパリ春子(有村さん)の担任の足立先生役でした。
クドカンは絶対狙ってますよね。

クドカンと斉藤さんといえば、昼ドラの『吾輩は主婦である』がありますね。
お昼だったので観られませんでしたが、観てみたいなぁ。
つまり、クドカンは『朝』『昼』『夜』という時間帯のドラマの三階級制覇ということでしょうか。


また話が逸れました。
数年前この曲を斉藤さんがリメイクしていましたが、やはりオリジナルバージョンの方が圧倒的に良いですね。ミディアムテンポでボサノヴァっぽくしてましたけど。
あの切迫感が良いのだと思います。

B面は『石鹸(シャボン)色の夏』。
清涼感漂うパステル調のピュアなラブソング。
夢見心地で仄かなメロディと言葉に淡く儚い世界へ誘われてしまいます。
作詞は森 雪之丞さん、作曲は亀井登志夫さん、アレンジは同じく武部さん。
ご三方の見事な仕事ぶり。
隠れた名曲ですよね。
この曲昔から大好きで、久しぶりに針を落として聞きましたが、少しスペクターサウンドですよね。
エコーが薄目ですが。

斉藤さんの乙女の可愛らしさがバクハツの歌声もイイですね。
透明感があって優しいそよ風のような。
『白い炎』とはまた違った表現で歌を作り上げています。




3rdシングルの『初戀』にも雰囲気が似ています。

両面の二曲ともファーストアルバム『AXIA』に収録されています。
『AXIA』、『ガラスの鼓動』、『Chime』、『風夢』とか、良いですよね。
《斉藤由貴》の音楽として、コンセプトがしっかりしていますよね。
初々しい青春時代を髣髴させる、文学的で抒情的なアイドルポップスって感じで、斉藤さんのアルバムは独特の魅力を当時から放っていました。

ちょっとセンチな気分に浸ってしまい、現実に戻れ無くなってしまいそうなので、この辺で失礼します。

『白い炎』《7A0488》〈作詞:森 雪之丞/作曲:玉置浩二/編曲:武部聡志〉(04’07’’)【1985】



AXIA(紙ジャケ+HQCD)(仮)

AXIA(紙ジャケ+HQCD)(仮)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2009/08/05
  • メディア: CD



「斉藤由貴」SINGLESコンプリート

「斉藤由貴」SINGLESコンプリート

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2007/07/18
  • メディア: CD


nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 2

いとぞう

斉藤由貴さんは聖子ちゃんとは違った意味で80年代アイドルの象徴のような気がします。あの強い瞳に吸い込まれそうになります。
「スケバン刑事」は3部全て観ていました。
個人的には「卒業」や「悲しみよこんにちは」や「砂の城」とか、メロディアスで明るい曲調のほうが好みですが、「白い炎」は大映ドラマっぽいこのドラマのイメージにピッタリの良い曲ですよね。武部聡志さんのアレンジ大好きです。
by いとぞう (2013-10-02 18:12) 

都市色

80年代に於ける『スケバン刑事』の意義は大きいですよね。
斉藤由貴さんも、南野陽子さんも、浅香唯さんもこの番組でトップアイドルになりましたから。
斉藤さんの曲で暗い曲は『情熱』と『白い炎』くらいな気がしますね。
by 都市色 (2013-10-04 03:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。