『ろくでなし/小島麻由美』 [小島麻由美]
こんにちは。
更新が一週間以上空いてしまいました。
いろいろあるよ、いろいろね。
と、言う訳で今回も岩谷時子さんの作品を取り上げましょう。
最後の三枚目は僕らの世代のミュージシャンによるシングル。
大好きな小島麻由美さんによる『ろくでなし』であります。
短冊のジャケット狭しとやぶれかぶれで無造作なレタリング。
堂々と。
いかにも“ろ・く・で・な・し”な仕業と云わんばかり。
イタリアの男性歌手、サルヴァトール・アダモによる自作曲を岩谷さんが訳詩を手掛け、越路吹雪さんが歌って我が国でもヒットしました。
岩谷さんは訳詩も多く手掛けられました。
『愛の賛歌』、『マイウェイ』、『サン・トワ・マ・ミー』、『ケ・サラ』、『ラストダンスは私に』等々。
『サン・トワ・マ・ミー』はアダモ氏の楽曲で越路さんがカヴァーしていますね。
『ろくでなし』は原題は『Le mauvais garçon』、『不良少年』という意味だそうです。
我らが小島麻由美嬢によるカヴァーはまず、東芝EMIからリリースされた越路吹雪トリビュートアルバム『拝啓、越路吹雪様』(1996)に収録されました。
のちの1999年にシングルカット。
オリジナルの不良少年的世界を女性人称で改作した岩谷時子版の素晴らしさ。
モダンでハイカラな歌謡曲。
『札付き』、『おかみさん』、『晴れ着』、『日ぐれ』などなど、少し古風な言い回しが歌詞に散りばめられていて、それが何とも言えない“古き良き”ムードを醸し出しています。
逆に新鮮な感じがします。
小島麻由美バージョンはガレージロック風なサウンドを基調としたミディアムバラード仕立て。
相棒、塚本 功氏の憂いを含んだ増幅エレキギターが泣きまくります。
ヴィンテージ感のあるバンドアンサンブルをバックに、小島嬢のズべ公であばずれな雰囲気を吸い込んだ倦怠感の熱唱に痺れ捲ります。惚れ惚れします。
越路版とはまた違ったヒロインを歌の中でチャーミングに演じています。
紛うことなきロックンロール。
ワンダ・ジャクソンも真っ青。
Dr.kYon、佐橋佳幸両氏のギターをバックに歌う小島嬢もはんなりと素晴らしいです。
カップリングはカラオケ。
不良っぽさ120パーセントのやさぐれガレージサウンドを楽しめます。
短冊シングルの歌詞に“越路吹雪さんに捧げます”とクレジットが添えられています。
岩谷さんはこの小島麻由美バージョンを聴かれたのでしょうか。
丁度一時期“昭和歌謡”の括りで小島嬢が語られていた時期のシングルでした。
この小島嬢の『ろくでなし』はシングルと先のトリビュート盤以外には収録されていません。
どちらも廃盤。
彼女の二枚の編集盤には漏れています。
一応、ライヴ盤にはライヴバージョンの『ろくでなし』が聴けます。当たり前か。
アレンジは殆ど同じです。
小島嬢の新作もそろそろ聴きたいです。
MEGの最新作に楽曲提供したそうですが、それもまた早く買わねば。
来年あたり、ドカーンと活動して頂きたいですね。
『ろくでなし』《PCDA-01186》〈訳詩/岩谷時子/作詞・作曲:S・アダモ/編曲:小島麻由美〉(03'34'')【1999】
>makimakiさん、nice!ありがとうございます。
by 都市色 (2013-12-14 00:01)