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『快盗ルビイ/小泉今日子』 [邦楽女性アイドル/80年代]

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こんばんは。
果敢に大滝さん特集です。

個性豊かすぎるノベルティ路線が続きましたので、再びメロディ路線へ。

小泉今日子さんのシングル、『快盗ルビイ』です。
最近もドラマに歌に大活躍のコイズミさん。
美しき大人の女性。
年齢を重ねる毎にまた新しい魅力を身に纏って。
まさにナイスミドル、いや、ナイスミディ。

彼女の1988年のシングル。
同名の主演映画のテーマソングでもあります。
イラストレーターの和田 誠氏の監督第二作でした。
和田 誠氏のイラストが子供のころから大好きでした。
『お楽しみはこれからだ』シリーズは映画に夢中になるきっかけとなった本でした。
文章も良いですよね。

ヘンリー・スレッサーによる小説の映画化。
小粋なロマンティック・クライム・コメディ。
原作で起こる事件の大筋はそのままに、登場人物の設定をガラッと変えています。
小説での“ルビイ”はしがない男性でした。
映画通として知られる和田監督は、60年代のハリウッドの軽妙なコメディタッチを踏襲して映像化。
一流の美意識と知識と映像センスがバクハツしています。
第一作『麻雀放浪記』が傑作すぎて、その陰に隠れてしまいがちですが、
全編に朗らかでのんびりとしたムードが心地よいです。
公開当時よりも今の方が楽しめると思います。
シーンごとに変わる、お洒落な小泉さんのファッションも見もの。
“ヤマトナデシコ七変化”を地で行ってます。
ほーんとチャーミング。
共演の真田広之さんは初めての三枚目の役柄、アクションに長けているのでコミカルでリズム感の良い演技が活かされてます。
さらに物語を飽きさせない個性派な脇役陣の顔ぶれも楽しい。
この映画はビクターも配給に関わっていてプロデューサーは飯田久彦さんでした。

さて、この曲は勿論、大滝さんの仕事。
女性歌手に主に楽曲を提供していたのは80年代初頭でしたので、久々ですね。
楽曲提供としては『実年行進曲』以来なので、二年ぶりでしょうか。
この時期から隠居生活が板に付いてきたという感じですね。
それはそうと、大滝さんが書き下ろした楽曲は、60年代のドリーミィなガールポップスの決定版。
極上のメロディが遺憾なく展開されています。
コニ―・スティーヴンス、レスリー・ゴーア、アン・マーグレットあたりの。
煌びやかなオーケストレーションを纏って。
管弦アレンジは服部克久氏、お手の物ですね。
ゴージャスでポップなナイアガラ・サウンドをバックに、しっとりと甘く囁くように歌う小泉さんの歌唱もうっとり。

♪ ルビ ドゥビ ルビ ドゥビ ルビ ドゥビ ドゥ・・・・・・ のスキャットも可愛い。

当時の小泉さんにしてはオーソドックスでやや落ち着いた感じの楽曲に思えました。
今の小泉さんによる『快盗ルビイ』も聴いてみたいですね!

作詞を担当されるのは、和田 誠監督。
監督は音楽にも精通されているので、歌詞も素敵ですね。
巧みに軽やかに韻を踏んでます。

シングルバージョンのエンディングはフェイドアウトですが、
大滝詠一作品集Vol.2に収録されている方では、フェイドアウトの先のエンディングがしっかり聞けます。。
そして、2002年に出た小泉さんのベスト盤『KYON3』には何と、大滝さんとのデュエットバージョンがお目見え。
大滝さんのデモ音源を利用して、小泉さんと一緒に歌っているようにエディットされています。
これが実に良いです。
テレ隠しなのかユーモラスに歌う大滝さんが面白いです。

それから映画のエンドロールで流れるバージョンはジャジ―なミディアム・バラード調にアレンジされていましたね。
これは劇伴を手掛けた八木正生氏による編曲。
テーマソングをバックに、劇中の出演者たちが再登場、それぞれの表情が楽しいです。
楽しい物語の余韻に浸れます。

B面は『たとえばフォーエバー』。
こちらは劇中の挿入歌。
小泉さんと真田さんのデュエット。
小泉さん演じる留美の部屋でのシーンで二人が歌いだします。
こちらも実にロマンティックなラヴソング。
往年のハリウッド産のミュージカルって感じで。
作詞・作曲は和田監督。
八面六臂な活躍。
歌詞の中に“ナイアガラ”というフレーズが出てきます。
アレンジは八木正生氏。
瀟洒なビッグバンドサウンド。

『快盗ルビイ』、イイ映画でした。
また、観たいなぁ。
劇場で。
ニュープリントでリヴァイバル上映してほしいです。
午前十時の映画祭で、どうでしょうか。
和田 誠氏はもう映画は撮らないのでしょうか。

映画と云えば、大滝さんも大変造詣が深いですよね。
成瀬巳喜男監督の『秋立ちぬ』が撮影されたロケ地を全て、ご自身で究明し、完璧に探訪しちゃうほど。
大滝さんの映画に関するお話、もっとお聞きしたかったです。



さて、のびのびと長々とお送りして参りました、大滝詠一追悼特集も取り敢えず、ひと段落。

大滝さん、ありがとうございました。




『快盗ルビイ』《SV-9384》〈作詞:和田 誠/作曲・編曲:大瀧詠一/管弦編曲:服部克久〉(04'08'')【1988】



大瀧詠一 SONGBOOK2

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  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • 発売日: 1995/03/24
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いとぞう

この曲もステキですよね。キョンキョンへの曲提供は必然だったような気がします。そういえば大滝さんも「あまちゃん」を熱心にご覧になっていたとか。小泉さんに薬師丸さん、そして実際に出演はなかったけど聖子さん。大滝さんにとって奇跡のような組み合わせでしたね。
大滝さんとのデュエットバージョンは偶然ラジオから流れてきたのを聴いて知ったのですが驚きでした。
映画は観たことないのです。観てみたいなぁ。
by いとぞう (2014-05-21 21:27) 

都市色

>いとぞうさん、こんにちは。
コメントありがとうございます!
お返事が遅くて申し訳ありません。

大滝さんが語る『あまちゃん』のお話、聴きたかったですよね。

80年代アイドルへの大滝さんの功績、もっと語られて良いと思いますね。

by 都市色 (2014-06-01 11:09) 

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