『君にハートブレイク/ネッド・ドヒニー』 [AOR]
こんばんは。
暑いですね。
それも蒸し暑い。
そんなときはカラッとしたカリフォルニアの青い空がお誂え向き。
行ったことはありませんが、今回のシングルの主役の音楽を聴いていると、音像からその景色が浮かんでくるのです。
という訳でご紹介しましょう、ネッド・ドヒニーです!
稲垣さんに続けて、爽やかな音楽を。
彼の1988年のアルバム『LIFE AFTER ROMANCE』からのシングル『君にハートブレイク(Heartbreak in the making)』です。
という事は、満里奈さんのシングルと同年のリリースですね。
永遠の青年のようなドヒニー氏も結婚をして、中年に差し掛かった80年代の終わり頃ですが、相変わらずのエヴァ―グリーンのサウンド。
自宅に建てられたスタジオにて、マイペースに録音された音源はこれまでのアルバムにひけをとりません。。
アベレージ・ホワイトバンドのヘイミッシュ・スチュワートとの共作で、チャカ・カーンの歌唱により大ヒットした一曲『Whacha gonna do for me』のセルフカヴァ-版も収録されています。
サウンドは80年代っぽい感じですが、素晴らしいプレイヤーによるマニュアルの演奏は今聴いても瑞々しいです。ミックスはグリン・ジョーンズが担当しています。
という訳で、シングルについて。
『君にハートブレイク』。
原題は『HEARTBREAK IN MAKING』。
アルバム全体はメロウなミディアム調の楽曲が多いのですが、その中でもっとも明るい楽曲で一番シングル向けなラブソング。
見上げる青い空、心地よい風、見渡す海、流れるハイウェイ。
爽やかな夏のシチュエーションにピッタリなロマンティックなメロディとアダルトなサウンド。
『HARD CANDY』のA面に収録されていてもオッケーな。
そしてドヒニー氏の若若しい歌声。
間奏でのワイルドなエレキギターソロもドヒニー氏が担当。
主にアコギの演奏が多いのですが、ギタープレイにも定評があります。
そしてB面はアルバムのラストに収録されているタイトルソング『LIFE AFTER ROMANCE』。
ドヒニー氏の真骨頂のミディアムスローのバラード。
たそがれ時に相応しいムード。
もう胸をかきむしりたくなるほどの切なさに悶えちゃうほどの名曲。
『HARD CANDY』のラスト『VALENTINE』に比肩する名バラード。
緩やかに秘めやかに、甘美な曲線を描いて展開していく旋律の軌跡に只々耳を傾けるばかり。
その恍惚感。
サビからのドヒニー氏のファルセットも実にセクシィ。
♪ ロマンスが終わった後の人生も
愛が秘め事なら すべてはうまくいく
それは疑いの無いこと
ネッド・ドヒニー氏の音楽はまさに青春でした。
初めて聴いたのは20代の初めころ、『Hard Candy』でした。
グレイト3(当時はロッテンハッツ)の片寄さんの影響でした。
AORの代名詞的なアルバムでもう何度聴いたか判らない位愛聴しています。
『LIFE AFTER ROMANCE』は久々のオリジナルアルバムで、前作の『Plone』は日本でのみのリリースでした。
それから比較的最近、numeroという海外のマニアックなレーベルが彼の初期の音源集をリリースしました。
勿論、ゲットしました。
その中には未発表デモ音源も多く入っていて、ファンに堪らない内容でありました。
『Life After Romance』からの曲も入っていました。
あと、レコードストアデイを通じて限定の7吋が出ましたが、あまりの限定数で手に入れられませんでした。
ヤフオクにも出ていましたが、そんな値段で買うかよ!べらぼーめ。
一方、今回のシングル盤は実はプロモーションオンリーのシングルでして、貴重さでは負けてまへん。
ジャケットの裏には音楽ライターの上柴とおる氏とタレントの清水 圭氏の対談が掲載されています。
当時人気漫才コンビだった圭修の圭氏と上柴氏の語らいからバブル時代当時の大阪界隈での音楽状況が垣間見られて興味深いです。
ドヒニー氏は、近年も来日公演をされたそうですが、生憎一度もライヴを観たことがありません。
是非、機会があれば、永遠の青年ぶりを目の当たりにしたいものです。
『君にハートブレイク』《RI-2013》〈Written by N. Doheny & R.Ford 〉(03'26'')【1988】
>makimakiさん、niceありがとうございます!
by 都市色 (2014-08-10 00:35)