『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ/四人囃子』 [邦楽ロック/70年代]
こんばんは。
さぁ、北風に吹かれて、今夜もシングル盤を空元気にご紹介していきましょう。
前回のハース・マルティネス氏の『Altogether alone』が宇宙人との出会いの曲でしたが、、
日本のロックも負けていられません。
四人囃子の『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ』です。
でかした!弟よ。
四人囃子といえば、
ジャパニーズ・プログレッシヴロックの代表格ともいえるバンド。
圧倒的な演奏能力と音楽センスの高さ。
そのサウンドの雄大さ、斬新さ、変幻自在さ、観月ありさ(蛇足)。
当時の二十歳そこそこのメンバーの才気走った音楽センスがバクハツしています。
名盤の誉れ高き『一触即発』『ゴールデン・ピクニックス』はずっと大愛聴盤です。
プログレとか関係なくカッコいいです。
そして、
四人囃子はシュールというかユーモアのある歌詞も魅力ですよね。
コピーライターの末松康生氏によるバンドサウンドとの不思議な化学反応。
その魅力がこのシングルにも遺憾なく発揮されてます。
作曲とヴォーカルは森園勝敏氏。
刻々と姿を変える大空の景色のように、ダイナミックかつ繊細な演奏。
空を鮮やかにサイケに染め上げる森園氏のギターフレーズ。
岡井大二氏の轟く大地のリズム。
このシングルから参加した佐久間正英氏の躍動するベース。
坂下秀実氏、そして佐久間氏同様に新メンバーの茂木由多加両氏の多彩なキーボード演奏。
ドラマティックな演奏から、今にも未確認飛行物体が現れそうな気配。
空飛ぶ円盤が現れて、
「ちっとも待たせなかっただろう」って得意そうに言ったり、
「映画に出たことのない人は乗せてあげられない」ってすまなそうに言ったり
なんだかフレンドリーな円盤なのです。
そんなどこかトボケた味わいがあるのが末松氏の歌詞の魅力です。
映画に出演したことのある奴じゃないとUFOに乗せないよ、というのはこのバンドが東宝レコードというレコード会社に所属してたのと関係あるのでしょうか。
弟を乗せて円盤が空を高く高く舞い上がっていく感じも演奏からイメージできますね。
このライヴバージョンでの演奏も鬼気迫ります。
末松氏の歌詞には“空”や“海”など大自然を舞台にした世界が多いです。
B面は『BUEN DIA(ブエン ディア)』。
A面と打って変わって、心地よいキーボードの音色が弾む、イージーリスニング風というかトロピカルな心地よい演奏に拍子抜けする間もなく快適なサウンドに溶けていきます。
20代そこそこの若者たちが何事もないように演奏しているのです。
凄い。
こちらはドラム奏者の岡井大二氏の作曲。
幅広い音楽センス。
のちに岡井氏はL⇔Rのプロデューサーとしても活躍します。
ベースの佐久間正英氏も日本のロックバンドを数々プロデュースしており有名ですね。
このバンドの影響が有形無形に日本のロックに沁みこんでいる訳です。
そいえば、コレクターズの加藤ひさしさんとローリーのユニット“21st Century Stars ”もシングルのカップリングで四人囃子のカヴァーをしてましたね。
それにしても黎明期の日本のロックミュージシャンは殆どが20代前後なのに演奏が達者でセンスも良い人ばかりって気がします。
70’s Vibration ですね。
このシングルは当時は『一触即発』の後発シングルとしてアルバム未収録でしたが、現在ではCDのボーナストラックとして二曲とも収録されています。
そして、
このシングルの記事を大学時代、僕に四人囃子の魅力を熱弁して教えてくれたМくんに捧げます。
今頃、どうしているだろう。
『空飛ぶ円盤に弟が乗ったよ』《AT-1806》〈作詞:末松康生/作曲:森園勝敏/編曲:四人囃子〉(03’53’’)【1974】
ライヴ・アルバム’73 四人囃子(完全版)(紙ジャケット仕様)
- アーティスト: 四人囃子,末松康生,中村真一
- 出版社/メーカー: 有限会社PSC
- 発売日: 2002/12/18
- メディア: CD
- アーティスト: ブルース・クリエーション,ガロ,四人囃子,あんぜんバンド,金子マリ&バックスバニー,上田正樹,憂歌団,ソー・バッド・レビュー,センチメンタル・シティ・ロマンス,めんたんぴん
- 出版社/メーカー: 徳間ジャパン・コミュニケーションズ
- メディア: CD
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