『はじまり/Daisy』 [邦楽ロック/00年代]
(7日も過ぎて~)
新年明けましておめでとうございます。
『03’54’’』です。
(7日も過ぎて)2016年のはじまりはじまり~。
さて、松田マヨさんという女性シンガーをご存知でしょうか。
90年代末から21世紀初頭に活動していたガールズバンド“Daisy”の中心人物でした。
彼女が2002年にソロ活動としての“Daisy”名義で再デヴュー。MiDiからワーナーへ移籍。
昔の名前で出ています。
デヴューシングルはその名も『はじまり』です。
昨年の最後のシングルは町 あかりさんという素晴らしい才女を紹介しましたが、
天才女流SSW繋がりで。
颯爽と吹き抜ける春風のようなストリングスの響き。
疾走感のあるビート。
愁いを帯びた彼女のヴォーカル。
ひらめきとときめきに満ちたメロディ。
形容しがたい胸騒ぎから恋の始まりを確信する“うた”。
奥行きのある生演奏のアンサンブル。
アレンジも彼女自身が担当。
エヴァ―グリーンなポップスを堪能できます。
21世紀初頭に盛り上がった“うたもの”や“喫茶ロック”の時代を思い出します。
70年代の終わりごろ、洋楽の洗練されたサウンドに追い越せ追いつけとばかりに、
日本のロックと歌謡曲の両サイドから、若きミュージシャンたちが切磋琢磨してソングライティングやサウンドメイキングに凝り始めていた頃の音、いわゆる“シティポップス”に松田マヨさんは近い気がします。
でも単なるあの時代のポップスの焼き直しに感じられないのが才能。
しかし、このPVはあんまりです。
がっかり。
酷い。
どうすれば、浜辺でブーちゃん1号とブーちゃん2号がイチャイチャする映像がこの曲からイメージ出来るのですか。
私怒ってます。
カラオケで流れてくる映像だってもうちょっと考えて撮影する筈。
目を瞑って聴きましょう。
カップリングは『スピード』。
こちらも堂々たるシティポップス、三分間のシンフォニー。
イントロから名曲の予感は直ちに確信に変わります。
歌の内容は一転して、恋の終わりの遣る瀬無さを歌っています。
めくるめくセンチメンタルなメロディにハートを焦がされます。
サウンドの要である躍動するベースライン、二曲とも演奏するのは伊賀 航さん。
とにかく、とびぬけた才能しか感じさせない松田マヨさんのシングルですが、
非常に、そして甚だ残念なことに、彼女の作品はこの一枚で終わっています。
最初で最後のシングルですが、
それぞれに『はじまり』と『グッバイ』のフレーズが奇しくも織り込まれています。
何があったのでしょうか。
当時のサブカル雑誌に掲載されていたインタビューにはこのシングルの後もリリースが予定されていたはずなのですが。
未だに僕は松田マヨさんの活動再開を心のどこかでいつも祈り続けているのです。
そういえば、当時彼女がレコーディングを手伝っていたバンド(同じ所属事務所でした)、“初恋の嵐”はなんと信じがたいことに14年ぶりにニューアルバムをもうすぐ発表するというじゃありませんか。
急逝した西山達郎さんの残された音源を元に残されたメンバーとゆかりのあるミュージシャンたちが協力して制作されたそうです。
この知らせを松田マヨさんはどんな思いで聞くのでしょうか。
彼女に勝るとも劣らない才能を持った西山達郎さんの音楽。
ソロとしてのDaisyの作品はこのシングルだけと申しましたが、実はもう一枚、松田マヨ名義のミニアルバムがあります。
2000年に曽我部恵一さんのプロデュースでリリースされた、鍵盤の引き語りでのソロ作品。
タイトルは『夏』。
このアルバムも忘れられません。
夏が来れば思い出す一枚。
という訳で、何だか未練に溢れた文章になってしまいました。
本当に素晴らしいSSWなのに勿体ないです。
ジャケットは藤子不二雄Ⓐ先生の描き下ろしだぜ!
サイコー。
尚、このブログでは松田マヨさんに関する情報を募集しています。
ご存知の方はどうぞ、ご一報ください。
と、こんな感じではじまりました“03’54’’”。
今年は昨年以上にギャンギャン更新して行きたいと思ってるぞコノヤロー。
まだまだ紹介し足りない大好きなシングルがいっぱいです。
Yes,We are SINGLES !!
Yes,高須クリニック!
『はじまり』《WPC7-70001》〈作詞・作曲・編曲:松田マヨ〉(04’50’’)【2002】
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