『夢で逢えたら 大瀧詠一作品集 Vol.3 / Various Artists』 [ナイアガラ]
ども。
下町のナポレオンフィッシュこと、都市色だす。
前回に引き続いて、
『夢で逢えたら』関連のシングルを取りあげたいと思います。
題して、“春の夢逢えまつり”。
別に白いお皿とか、プレゼントしませんけどね。
今回取り上げるのは『夢で逢えたら VOX』と同時発売の『EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」』のアナログ盤です。
大瀧さんの作品集の第三弾はなんと、“夢で逢えたら”尽くし。
この曲は、発表当初はそれほどの知名度は無かったのですが、ジワジワと音楽ファンの間で愛されて、語られてきました。
そして、
1976年以降、古今東西の様々なシンガー、グループがこの曲を歌い継いできました。
その楽曲達を一堂に会したコンピレーションが遂に登場。
レコード会社、レーベルの枠を取っ払い、集まった楽曲数、五万曲!
アッと驚く為五郎~!
サ~バ言うなコノヤロー!
おっと失礼、86曲。
CD4枚組の大作&労作です。
まさに“夢で逢えたら”の金太郎飴状態、
というか、
ドキッ 丸ごと夢逢えだらけのコンピレーション!だす。
毒を喰らわば~、いえ、失礼。
これだけの曲群を一気に聴いたら本当に夢にまで出てきそうな勢い。
眠っていたら、いつの間にかベッドごと滝から流されていた美女のジャケットも素敵だす。
世界中を見渡してもこれ程のコンピはどこにもナイアガラでしょう。
コミックソング集のコンピじゃないんだから。
でもユーモアを好み、
前代未聞、空前絶後が好きな大滝さんは天国で微笑んでいることでしょう。
そんな不思議なコンピレーションと同時発売のアナログ盤を取り上げます。
86曲から厳選された『夢で逢えたら』を5曲、レコードの溝に刻んでます。
“よりぬき 夢で逢えたら”という訳です。
このレコードは12インチで、ミニアルバムかもしれませんが、
勝手に12インチシングルとカテゴライズして紹介します。
尚、このレコードはソニーが再び自社で製造するアナログレコードの第一号です。
同時にビリー・ジョエルの『ニューヨーク52番街』もアナログで発売されました。
これはソニーの世界初CDの国内作品第一号が『ロングバケーション』と『ニューヨーク52番街』だったことに倣って(でも、今更ビリー・ジョエルの超ベストセラーアルバムをレコードで買い直す方がどの位いるのか甚だ疑問ですが・・・・)。
まずはA面。
一曲目は大滝詠一さん自身によるセルフカヴァーの『夢で逢えたら』。
これはお亡くなりになった翌年の12月にリリースされた、初のオールタイムベストアルバム『BEST ALWAYS』で初披露されました。
いわゆる“死後公開”物件。
最期の最期で伝家の宝刀を抜いた、と言う感じでしょうか。
ご存命中だったら聴くことが出来なかったであろう内容なのでフクザツな気持ちもありますが、
こんな素晴らしいセルフカヴァーを聴かずに死ねない、と思える程に僕はこの大滝さんが歌う『夢で逢えたら』が気に入っています。
大滝さんの歌唱の素晴らしさが溢れています。
間奏の語りも照れ屋な男の誠実さが滲み出ています。
堪りません。
このセルフカヴァーが録音された時期については明記されていません。
いつなんでしょうね。
この曲の7インチシングルがベスト盤が出たときに抽選でプレゼントされたのですが、応募してハズレただけに、今回のアナログ盤は嬉しいです。
でも7インチ欲しいです。
下さい、誰か。
待ってま~す!
2曲目はラッツ&スターによる『夢で逢えたら』。
男性の歌唱によるこの曲のカヴァーは女性版に比べて極端に少ないのですが、
このカヴァー版が売り上げとして最大となり大ヒットしました。
大滝さんを師と仰ぐ鈴木雅之さんの想いが伝わって来ます。
ブラックコンテンポラリー風味のメロウな夢で逢えたらです。
3曲目はシリア・ポールさんの『夢で逢えたら』。
こちらは1987年の吉田 保氏によるリミックスバージョンです。
1977年版よりも深いエコーがさらにミステリアスでロマンティックなり。
B面に移って。
一曲目はいきものがかりのヴォーカル、吉岡聖恵さんのカヴァーバージョン。
放牧中のお仕事。
シリア・ポールさんのオケを利用して歌っています。
当代の人気女性ヴォーカリストの歌声で新しい魅力の『夢で逢えたら』が聴こえます。
可愛らしい歌声。
いきものがたりについてそれほど詳しくはないですが、好きです。
イイ曲有りますね。
トリを飾る、二曲目は吉田美奈子さんの新録の『夢で逢えたら』。
アルバム『フラッパー』(1976)収録のオリジナルバージョンから42年経った『夢で逢えたら』。
美奈子さんのセルフプロデュース。
アレンジは森 俊之氏。
録音は実兄の吉田 保氏が担当。
森氏によるエレキピアノの伴奏で唄われる新しい『夢で逢えたら』。
熟成された深みのある大人の女性の響きが伝わるしっとりとしたララバイ。
エンディングの美奈子さんのラ ラ ラ~にもウットリ。
どこまでも伸びやかに自由に歌声が舞います。
素晴らしいカヴァーバージョン。
美奈子さんのフルートの演奏が聴ける『指切り』(大滝詠一ファースト)から45年以上。
彼女の大滝さんへ万感の想いが伝わって来ます。
まさに不朽の名曲、ラブソング。
ナイアガラ・ロマンティック・クラシックソング。
このレコードを聴いてまた素敵な夢が見られそうです。
きっとこのコンピレーションを元にこれからも新しい『夢で逢えたら』が生まれて来そうですね。
楽しみです。
『夢で逢えたら 大瀧詠一ソングブック Ⅲ』《SRJL 1120》〈作詞・作曲:大滝詠一〉【2018】
EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」(1976~2018)
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2018/03/21
- メディア: CD
EIICHI OHTAKI Song Book III 大瀧詠一作品集Vol.3「夢で逢えたら」(完全生産限定盤) [Analog]
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: SMR
- 発売日: 2018/03/21
- メディア: LP Record